沖縄県の西表島で果樹栽培をするアララガマ農園(竹富町、池村英勝代表)は、鉢植え栽培で冬場でもパイナップルの糖度を維持し、通年出荷する体制の確立に取り組んでいる。露地栽培に比べ、水と栄養、温度をコントロールでき、天候に左右されない安定栽培が可能。パインの甘味が落ちる冬場に収穫することで高値取引が期待でき、今後、西表島特産のパインとして多くの農家に普及する方針だ。

アララガマ農園で鉢植え栽培されているパイナップル=竹富町(同農園提供)

鉢植えパインの取り組みを語るアララガマ農園の池村英勝代表

アララガマ農園で鉢植え栽培されているパイナップル=竹富町(同農園提供) 鉢植えパインの取り組みを語るアララガマ農園の池村英勝代表

 池村代表(58)は、パイン栽培歴33年目。これまで露地で栽培してきたが「台風や鳥獣被害、降雨で肥料が流れてしまうなど、生産量や品質が天候に大きく左右されてきた」と話す。

 パインは気温が20度以下に下がり、日照時間が減る11~2月に出荷すると、甘味が弱く酸味が強くなるため、糖度の維持が難しい。1年を通して安定品質を保つ方法を模索していたところ、鉢植え栽培を知った。

 昨年12月、7千個の植木鉢やパインに養液を与えるチューブなど設備投資に2600万円かけた。ゴールドバレルなど6種類を栽培している。露地では植え付けから収穫まで2年かかるが、鉢植えは1年。ことし12月にはパイン6千玉を、1玉1万円で販売する契約を結んだ県外の大手スーパーへ初出荷する。

 鉢植えは設備導入に費用はかかるが、池村代表は「冬場に糖度の高い高品質のパインを安定供給できるようになれば、初期投資も回収できる」と見通す。

 2018年12月に発効した環太平洋連携協定(TPP)はパイナップルの関税17%を段階的に引き下げ、11年後に完全撤廃する。高品質な県産パインを生産することは、安さで勝る海外産との競争力を強めることにつながる。

 事業を支援する県産業振興公社の大西克典ハンズオンマネージャーは「高品質で安定供給できるパインを海外物流に乗せることで、農家のさらなる収益向上にもつながる」と評価する。

 池村代表は「パインの西表ブランドを確立し、いずれは中国や香港に売り込みたい」と意気込んだ。(政経部・津波愛乃)