来年4月にスタートする「会計年度任用職員制度」を前に、那覇市と市の正規職員や臨時、非常勤職員でつくる労働組合が雇用形態や期末手当の支給額、昇給などの内容について団体交渉を進めている。市は「職員の雇用が悪くならないようにしたい」と説明。組合は市に、新しい制度が導入されても、職員たちが安心して働けるような仕組み作りを求めている。(社会部・比嘉桃乃)

組合が昼休みを利用して開いた制度の中身や市との交渉内容を報告をする説明会。非常勤・臨時として働く職員約60人が参加した=9日午後、那覇市役所

 会計年度任用職員制度は、非正規職員の処遇改善を名目として国が進めており、非正規や臨時職員の多くが「会計年度任用職員」という身分になる。制度の導入で手当や退職金が支給可能となり、その裁量は各自治体に委ねられている。那覇市は市議会9月定例会に制度を運用するための条例案を提出する方向で調整を進めている。

 組合によると、現在、市役所に勤める非常勤・臨時職員は約1600人。職種は生活保護事務支援員や介護相談員、非常勤調理員など300を超える。約1600人のうち、約1200人が会計年度任用職員の対象とされる。同市は県内自治体では珍しく非正規職員も組合に加入しており新制度への関心も高い。

 制度では、職員は年度ごとの任用となる。市役所で働く非常勤・臨時職員は子育て世代の女性が多く、これまで子どもが1歳を迎えるまで取得できた育児休業が取れないのではといった不安の声も上がっている。組合が臨時・非常勤職員を対象にしたアンケートでは「ボーナスを入れてほしい。給与、休暇を増やしてほしい」「通勤費を全額支給してもらいたい」と切実な声が寄せられた。自身も非常勤職員として働く城田マリ書記次長は、さまざまな業界で人手不足の状況が続いていることを挙げ「制度を充実させることで人材の流出も防げるのでは」と指摘する。崎山ゆかり書記長は「毎年不安を抱えながら仕事をしていくことについて市はもっと考えてもらいたい」と訴えた。

 また、ゴールデンウイークや年末年始といった長期休暇で賃金に影響が出ないようにフルタイム、パートタイム職員の月給制を求めている。市職員労組の嘉数真執行委員長は「多くの非常勤・臨時職員の皆さんに行政運営を支えてもらっている。行政のサービスの質を落とさないためにも安定した雇用を実施してもらいたい」と強調。

 市側は「現在の職員の雇用が逆行しないよう、良い制度を作りたい」と話している。

[ことば]会計年度任用職員制度 法改正により2020年度から導入される新しい一般職非常勤職員の雇用制度。自治体によって差があった非正規職員などの待遇に共通事項を定め、制度の導入で手当や退職金が支給可能になる。具体的な労働諸条件が各自治体で定められる一方、会計年度に限った雇用への不安の声もある。