子どもら1788人を乗せた学童疎開船「対馬丸」が米軍の魚雷で撃沈してから75年を迎えた22日、那覇市若狭の慰霊碑「小桜の塔」で慰霊祭が開かれ、遺族ら約400人以上が家族への思いを胸に集まった。

対馬丸慰霊祭で、犠牲者の冥福を祈り手を合わせる参列者=22日午前、那覇市・小桜の塔(下地広也撮影)

吉永小百合さんが対馬丸記念館に寄せたメッセージ=22日、那覇市・対馬丸記念館

(資料写真)小桜の塔

対馬丸慰霊祭で、犠牲者の冥福を祈り手を合わせる参列者=22日午前、那覇市・小桜の塔(下地広也撮影) 吉永小百合さんが対馬丸記念館に寄せたメッセージ=22日、那覇市・対馬丸記念館 (資料写真)小桜の塔

 対馬丸記念館によると、対馬丸の正確な犠牲者数は明らかになっておらず、氏名が判明しているだけで1484人、うち学童784人(22日時点)の犠牲が確認されている。記念館では犠牲者の申請も受け付けているが、昨年の慰霊祭から今年まで新たな申し出はなかった。一方、これまで遺影がなかった学童4人、船員1人の計5人について、遺族から提供を受け追加展示した。遺影は犠牲者の約4分の1に当たる387人分、340枚になった。

 22日の慰霊祭では冒頭、場内に船の汽笛が流され、参加者が黙とうをささげた。

 主催する対馬丸記念会の高良政勝理事長(79)は「皆さまの帰りをひたすら待ち続けていたご遺族も年を追うごとに少なくなりましたが、慰霊祭への参加は子、孫へと引き継がれてたくさんの人にご参列いただきました」と語り掛け、「争いや戦争のない世界を希求し、安らかなご冥福を祈ります」とあいさつ。

 玉城デニー県知事は「遺影を見るたびに、胸が張り裂けそうな思いに駆られます。このような痛ましい悲劇が二度と繰り返されることのないよう、教訓を次の世代へ正しく語り継ぎ、世界の恒久平和の実現に向けて全身全霊をささげていくことをお誓い申し上げます」とメッセージを寄せた。

 また、記念館のプロモーションビデオにナレーションを吹き込んだ女優の吉永小百合さんのメッセージも紹介された。

 22日夜には、対馬丸が沈んだ午後10時12分に合わせて遺族らが記念館に集い、追悼式を開く予定。例年は昼の慰霊祭のみだが、今年は撃沈から75年の節目に当たるため、夜の追悼式を開く。