夏休み中の8月が沖縄観光のトップシーズンだと思っていたら、中部地区はほかとは違うらしい。ホテル稼働率のピークは2、3月、次いで8月という

▼先日、コザ信用金庫の前屋誠専務理事による講演会があり、中部経済の特徴や展望を聞いた。プロ野球キャンプや大学・企業のスポーツチームの合宿地として定着しつつあるといい、合点がいった

▼「景気の改善は続いているが、那覇地区とは温度差がある」というのが同氏の分析。北谷町など一部を除き、好調な観光の恩恵が限定的であることや那覇との人口差を割り引いても企業数が少なく雇用吸収力が弱いと指摘。そのために所得が増えず、個人消費も弱いとも

▼ただ、明るい材料は多い。本年度の中城湾港へのクルーズ船寄港は昨年度の1・8倍の36回を予定。那覇などに直行する客を中部の観光地や中心商店街にいかに誘導できるかが鍵になる

▼沖縄市観光物産振興協会の体験プログラムなどを利用した修学旅行を含む団体客数もこの10年で大幅に増え、昨年度は82団体、約9千人に上った。積極的な誘致活動の成果といえる

▼来年秋には1万人収容のアリーナもオープンする。これらの好材料を地域経済の成長につなげるには官民一体となった戦略と取り組みが求められる。県全体のさらなる発展には中部の活力が欠かせない。(石川亮太)