ブラックバイトへの法的な対処方法を紹介する報告会(主催・ブラックバイトユニオン)が23日、那覇市のてんぶす那覇で開かれ、県内の大学生(20)が、2カ月以上払ってもらえなかったアルバイト代約7万6千円を労働組合「ブラックバイトユニオン」を通して取り返した経験を語った。ユニオンの担当者は「ブラックバイトは全国で増えているが、観光業がメインで学生が多く従事している沖縄では特に多いのではないか。解決できるので決して諦めないでほしい」と訴えた。

 報告会は大学生など約30人が参加した。

 被害に遭った学生が那覇市の平和通りにあるかき氷店のオープニングスタッフとして働くようになったのは4月末。大阪に住んでいるオーナーとは数回会ったきりで、仕事の指示や報告などは全てSNSを通していた。

 そんな折り、バイトを掛け持ちしたいと店長に相談したところ反対され、突然「翌日から来なくていい」と言われた。5月下旬に退職した。

 一方、同月末の給料日に振り込まれるはずのバイト代はなかった。学生は、バイト代で学費を支払う予定だったため何度もオーナーに連絡。しかしオーナーは電話に出ず、メールの返信もなかったという。そのため学生は学費の不足分を金融機関から借りて支払うことを余儀なくされた。

 何とか連絡を取りたいと「給料を払ってください」との張り紙を店舗に張ったのは7月上旬。すると朝5時にオーナーからの着信があったことに気付いた。着信は62件にも上り、脅しのメールも。「クソ田舎もんが調子にのるな」「おまえに払う金なんかない」などと言われた。

 学生は「履歴書には家の住所なども書いた。家に来たらと思うと、怖くて不安だった」と当時の恐怖を思い出して涙した。

 同月下旬、相談した大学教員からユニオンを紹介され、交渉を経て8月上旬にバイト代が振り込まれた。しかし学生は「またバイト代を払ってもらえないのではと思うと、今もバイトはできていない」と語った。

 ユニオンの今岡直之さんは、タイムカードなどの記録を証拠として残すことが大事だと指摘。「ブラックバイトに巻き込まれたら泣き寝入りせず、ぜひ相談してほしい」と呼び掛けた。

 ユニオンの相談窓口は、電話03(6804)7245へ。

[ことば]ブラックバイト 学生であることを尊重しないアルバイト。学業に支障を来すほど重い責任を負わせ、低賃金で働かせるなど。労働法上違法な対応が多く見られる。