人工知能(AI)のコンピューターソフトが、囲碁や将棋のトッププロと対戦し、勝利を収めたことは記憶に新しい。AIが人を上回る時代が来たのか、と驚いた

▼そのAIが人を介さず自律的に動き、標的を殺傷するいわゆる「ロボット兵器」の登場が現実味を帯びてきている。米国、ロシアなどが開発を進めているとされる。軍事的には、火薬、核兵器に次ぐ「第3の革命」という

▼人を殺すことは許されないが、機械の判断で人が殺されることになるのか。他にも問題がある。自国の死傷者を減らせることから戦争が始めやすくなると指摘される。テロリストの手へ渡った場合の脅威もある。さらに恐ろしいのはAIの誤作動や暴走だ。その際、責任は誰がとるのか

▼兵器の実用化前の規制を目指し、議論を進めてきた国連の専門家会議は、兵器の使用には人間が責任を持つなどの指針を盛り込んだ議長報告を取りまとめた。規制への国際基準の第一歩だ

▼ただ、中南米諸国などは法的拘束力を持つ条約などでの規制を求めたが、開発国の米ロなどが否定的だ。困難視されるが、今後も法的拘束力のある規制の実現へ努力を重ねてほしい

▼原爆などの例を見ても、最新の科学技術は常に軍事と親和性がある。浮き彫りとなるのは、戦争の非人間性だ。どう踏みとどまるか、人類の英知が試される。(内間健)