【市塚和枝通信員】中世から続くバイオリンの街、名器ストラディバリウスを世に出したイタリア・クレモナ市内で7月26日、宮古島市ジュニアオーケストラによる演奏会があった。夏の夜の音楽祭の一環として街の中心地にある聖マリア・マッダレーナ教会で開催された演奏会は立ち見が出るほどの盛況ぶり。会場は宮古島から暑さを運んできたかのような熱気に包まれた。

 書道のパフォーマンスの後、バイオリンなどの弦楽器を中心とした演奏が始まった。最初の2曲は沖縄の楽曲、てぃんさぐぬ花と芭蕉布の演奏。クラシック音楽に耳慣れている聴衆者たちは、珍しさもありバイオリンの音を鑑定するように演奏を聴いていた。だが演奏が進むにつれ、子どもたちの熱演に集中。最後には観客から惜しみない拍手が送られ、音にうるさいクレモナ市民に、沖縄の子どもたちの情熱が届いた。

 地元の高校で数学教師をしているミケーレ・ボルゾー二さん(33)は「演奏会のことをインターネットで知り聴きに来た。暑かったが、途中からはそれも忘れるほど。とても気持ちが良く、素晴らしかった」と感心した様子。

 看護師をしているシルビアさん(45)は、遠い東洋の宮古島から子どもたちが演奏に来るとの街のポスターを見て来場。「ぜひ聴きたいと思ったが期待通り。久しぶりにまとまりがあって、良い演奏を聴けたのでとても満足した」と感想を話した。

 演奏会を行った同オーケストラの天野誠団長は「グローバル化が進む時代。宮古島の子どもたちの中には、日本国内の大都市より直接ヨーロッパに出ていく方が生きやすい子も多いかもしれない。次はウィーンやハンガリーなど東の方にも演奏に行きたい」と今後の抱負を述べた。

 同オーケストラは宮古島市在住者や同市出身の児童・生徒40人で組織されている。

(写図説明)イタリアの観客の前で演奏する宮古島市ジュニアオーケストラのメンバー=7月26日、クレモナ市内