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米軍ヘリ窓落下事故 なぜ通報は遅れた 運用されなかった正規ルート

2019年9月1日 06:00

 部品落下が相次ぐ米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリが再び起こした窓の落下事故は、発生から日本側への通報が翌日、地元への連絡はさらにその翌日と日本側への通報が大きく遅れ、日本政府からも米側への不満の声が上がる。一方で、防衛省は被害の報告がないとして飛行の自粛を求めず、県からは事故の再発に強い懸念の声が上がる。(政経部・銘苅一哲、東京報道部・又吉俊充)

米軍ヘリ窓落下事故の通報体制

 1997年3月の日米合同委員会では事件事故の通報体制として「在沖米軍↓在日米軍↓在日米大使館↓外務省」と、「在沖米軍↓沖縄防衛局」の二つのルートを「正規通報経路」として合意している。

 今回、第一報が日本政府に入ったのは事故翌日の28日で、在日米大使館から外務省への通報。防衛省は外務省からの通報で事故を把握し、地元の在沖米軍から沖縄防衛局のルートは適用されなかった。

 田中利則沖縄防衛局長は謝花喜一郎副知事から抗議を受けた席上で「合意されれている形で適切な情報提供がなかったのは極めて遺憾だ」と不満を漏らした。政府関係者は「普天間の部隊は末端の組織として情報伝達をしたつもりなのかもしれない。ただ、防衛局などしかるべき機関に連絡をしてもらわなければ困る」と本音を語る。

 防衛局は28日の覚知後に米軍への照会を経て県や宜野湾市などに連絡したため、地元への連絡はさらに遅れた。県幹部は「あり得ない。命に関わりかねない重大な事故なのだから、完全情報でなくてもホットラインで一報を入れてほしい」と通報体制の改善を要求する。

 防衛省は事故を起こしたヘリの同型機の飛行自粛までは求めなかった。政府は2017年12月の普天間第二小学校への窓落下の際は当日に自粛を求めているが、政府幹部の「被害は確認されていない。自粛を求めるかどうかは事案によるということだ」との説明には、今回の事故を重大と受け止めていない本音がにじむ。

 一方で、県幹部は「学校に窓を落下させるあり得ない事故と同じような事故を軽視するのか。信じられない」と憤り、強調した。

 「第三の事故が起きれば日本政府にも責任がある」

県議会 抗議決議協議へ

 米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリの部品落下事故を受け、県議会米軍基地関係特別委員会(仲宗根悟委員長)は6日に委員会を開き対応を協議する方針を決めた。委員の意見を聴取した上で、抗議決議と意見書の両案を議決する方向で調整に入る。

 事故を起こしたCH53ヘリの同型機は、2017年12月に宜野湾市立普天間第二小学校に窓を落下させたほか、今年6月にも浦添市立浦西中学校にプロペラのカバーテープを落下させる事故を起こしている。

 抗議決議、意見書両案では、繰り返される事故を非難し、原因究明と再発防止を求める内容になる見通しだ。また今回、県や市町村への連絡が事故発生から2日後になったことも問題視し、速やかな連絡体制の確立も求めるとみられる。

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