ろう者の性的少数者(LGBT)を支援する団体「いるまんちゃー」が昨年3月、沖縄県内で初めて設立された。メンバーは当事者と支援者を含む6人。性の多様性を認め、誰もが生きやすい社会を目指すイベントピンクドット沖縄の開催に合わせ、8月31日には初めて東京のろうLGBT団体を招いて那覇市内で講演会を開いた。ふーみーこと鈴木文人代表(37)=北谷町=は「耳の聞こえない人にも、性の自認で悩みを抱えている人がいる」と理解の広がりに期待を込める。

いるまんちゃーで活動する新垣愛花さん(左)と鈴木文人代表=1日、那覇市・琉球新報社

 生まれつき耳が聞こえない鈴木さんはゲイであることを公表している。女性と交際したこともあったが違和感が拭えず、自身と向き合う中で23歳の時に「自分らしく生きよう」と決意した。県外にはろう者のLGBT団体があるが、沖縄になく、情報が少ないため発足に踏み切ったという。

 メンバーで、1歳の頃にほぼ聴力を失った新垣愛花さん(25)=那覇市=は男性でも女性でもない「Xジェンダー」で、パンセクシュアル(全性愛者)と自認している。高校時代はいじめに遭い、苦しい時間を過ごした。

 前を向くきっかけになったのは、ディズニー映画「アナと雪の女王」の主題歌だった。「『ありのままで』『何も怖くない』という歌詞にとても励まされた」と語る。

 「いるまんちゃー」は沖縄の方言で、色が混ざり合った状態を意味する。活動は始まったばかり。今後、ろう者向けにLGBTの情報交換やイベントなどを開催する予定。

 鈴木さんは「LGBTに関する手話講座を開いたり、ろう者で当事者の悩みや相談に応えたりして、沖縄でも支援を広げていきたい」と夢を描いた。問い合わせはメールirumancha.oknw@gmail.com