愛知県の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展が中止となった問題に抗議し、沖縄県読谷(よみたん)村在住の彫刻家・金城実さん(80)が「慰安婦」をテーマに制作していた像が2日までに完成した。作品の題名は「『アリランの詩』~日本軍慰安婦像~」。この日は韓国のテレビ局も取材に訪れ、プロデューサーの崔永珪(チェ・ヨンギュ)さんは「日本でも韓国の痛みや悲しみを共有していることに感謝の気持ちでいっぱいだ」と話した。

「アリランの詩」の像を完成させた金城実さん(左)=2日、読谷村儀間のアトリエ

「アリランの詩」の像を完成させた金城実さん(手前左)と、韓国のテレビ局のスタッフ=2日、読谷村儀間のアトリエ

「アリランの詩」の像を完成させた金城実さん(左)=2日、読谷村儀間のアトリエ 「アリランの詩」の像を完成させた金城実さん(手前左)と、韓国のテレビ局のスタッフ=2日、読谷村儀間のアトリエ

 8月27日に完成させたという像は腕を組んで座り、口を開けてアリランを歌う様子を表現した。金城さんは「韓国の植民地時代や慰安婦の歴史を多くの日本人は忘れ、なかったものにしようとしていることが問題だ」と訴える。

 2日には、韓国テレビ局「大田文化放送」が取材した。沖縄戦時に朝鮮半島から強制連行された「軍夫」や「慰安婦」が故郷を思い歌った朝鮮民謡「アリラン」を通して、東アジア全体の平和を探るドキュメンタリー番組の一環。アリランを歌い続ける歌手の喜納昌吉さんらを取り上げ、10月に韓国内で放送予定という。

 崔さんは日韓関係の悪化に触れ「企画展の中止は韓国でも大きく取り上げられ、みんな怒りを感じた。しかし、全ての日本人が韓国を敵対視しているわけではないと番組を通して強調したい」と話した。