基地上空の飛行を制限する改正ドローン規制法の運用実態を確かめるため、沖縄タイムスは8月27、28の両日、東京近郊の自衛隊2基地上空で小型無人機ドローンを飛ばした。自衛隊が「秘密保全」を理由に飛行の制限を試みるなど、テロ対策という法の目的を逸脱する実態が分かった。(編集委員・阿部岳)

航空自衛隊府中基地では「墜落の危険」を理由に飛行区域が制限された=28日午後2時55分、東京都府中市(小型無人機で撮影)

ドローン取材した自衛隊基地

航空自衛隊府中基地では「墜落の危険」を理由に飛行区域が制限された=28日午後2時55分、東京都府中市(小型無人機で撮影) ドローン取材した自衛隊基地

 本紙は改正法に基づき、事前に自衛隊の基地司令から同意を得て、地元警察署に通報した上で飛行した。27日は陸上自衛隊朝霞(あさか)駐屯地(埼玉県、東京都)、28日は航空自衛隊府中基地(東京都)の上空を飛んだ。

 自衛隊側は飛行の同意を出すに当たり、「弾薬庫とミサイル部隊は撮影禁止」「隊員のプライバシー保護」などを理由に飛行区域の制限を本紙に打診。「隊員が撮影映像を確認し必要に応じて削除をお願いする」との条件も付けようとした。

 本紙は「改正法の目的はテロ対策で、それ以外の理由による制限は受け入れられない」と指摘。撮影画像の確認や削除も報道の自由を守るため断り、自衛隊側も条件にはしなかった。

 飛行の安全面では、本紙写真部記者は国土交通省から人口集中地区の上空を飛ぶ許可を得ている。しかし、自衛隊側は「墜落の危険」などの理由を挙げ、最終的に飛行区域を制限した。

 一方、警察への通報手続きでも法に規定されていない障壁があった。自衛隊が認めたファクスでのやりとりを、警察は拒否。当初、48時間前までに警察署に足を運ぶよう求めた。法の趣旨に反するとの本紙の指摘を受け、最終的には郵送で受け付けた。

[ことば]改正ドローン規制法 テロ対策を目的に、ドローン飛行禁止区域を従来の首相官邸、原発などから基地や五輪会場にも広げた。6月に施行され、第1弾として防衛省本省や本土の自衛隊基地計13施設が指定された。第三者が上空を飛ばすには事前に基地司令の同意を得て地元警察に通報する必要がある。