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日本政府、有志連合への参加 結論先送り 米とイランの対話見極め 緊迫化し米側要請あれば独自派遣も

2019年9月4日 15:00

 中東・ホルムズ海峡での米主導の有志連合構想を巡り、政府が8月下旬の国家安全保障会議(NSC)4大臣会合で決定した対処方針が判明した。米国とイランの対話実現を最優先目標に、構想について結論を先送りし態度表明を保留。外交交渉を後押しし、9月下旬開催も想定される米イラン首脳会談を見極める。対立再燃で情勢が緊迫化し、米側が日本の参加を強く求めた場合は、自衛隊哨戒機を独自派遣する案を説明し理解を得たい考えだ。日本政府関係者が3日明らかにした。

米イラン対立を巡る日本の立場

 安倍晋三首相は、9月下旬に米ニューヨークで開かれる国連総会に合わせてイランのロウハニ大統領との会談を調整。イランの核開発を制限する核合意の維持を要請する。トランプ米大統領とも会い、対話による緊張緩和を促す。日仏外相は3日、フランスが提唱している米イラン首脳会談を巡り協議した。

 8月22日に首相と外務、防衛などの閣僚が出席したNSC会合で、有志連合に関する判断を急ぐ必要はないとの認識で一致。米イランの対話実現を目指し、ロウハニ師の出席が見込まれる国連総会での各国の対応を見定めることになった。

 これを受け、首相はフランスでの先進7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせ8月25日にトランプ氏と会談した。トランプ氏は日米貿易交渉に強い関心を示したものの、有志連合構想には言及しなかった。日本側はトランプ氏が有志連合結成を急いでいないと判断。NSC会合の対処方針通りに、外交努力を追求することにした。

 今後、トランプ氏から日本の参加を強く迫られれば、イランに接するペルシャ湾の外の地域へ自衛隊を独自に派遣する案の検討を伝える構えだ。独自派遣の形を取ることでイランへの配慮を示す。

 具体的には、アフリカ東部アデン湾で海賊対処のため警戒監視に当たっている海上自衛隊のP3C哨戒機の活動範囲を、アラビア半島南部イエメン沖を経てオマーン湾まで広げる案が有力視されている。法的根拠として、海賊対処法に基づく「海賊対処行動」などの適用を想定している。有志連合構想には英国、バーレーン、オーストラリアが参加を表明している。

 岩屋毅防衛相は3日の記者会見で「まずは外交努力を基本にして中東情勢に向き合う。その上で判断する」と述べた。

[ことば] 有志連合構想 中東・イラン沖のホルムズ海峡周辺で今年5月以降、日本のタンカーなどが攻撃された事件を受け、トランプ米政権が船舶の安全確保を目的に打ち出した構想。警戒監視に必要な艦船などの派遣や資金拠出を各国に求めている。ホルムズ海峡、ペルシャ湾、オマーン湾、イエメン沖のバベルマンデブ海峡が活動範囲となる予定。英国、オーストラリアなどが参加を表明。フランス、ドイツは不参加の意向だ。米国と対立するイランは構想に反対している。

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