ピンクドット沖縄2019に合わせ、LGBTカミングアウト・フォト・プロジェクト「OUT IN JAPAN」の撮影会が8月31日、那覇市内で開かれた。LGBTなど性的マイノリティーをモデルに写真を撮影・公開し、当事者のカミングアウトの機会をつくる取り組み。撮影は世界的な写真家で、TBS系のバラエティー番組「林先生の初耳学」のコーナー「パリコレ学」にも登場し、モデルを撮影したレスリー・キーさんが担当。集まった25人は、一人一人がそれぞれの思いを胸にカメラの前に立った。(学芸部・伊禮由紀子)

参加者と撮影した写真を確認するレスリー・キーさん(右)

当事者をモデルに撮影するレスリー・キーさん(手前)=8月31日、那覇市のホテルパームロイヤルNAHA

記念撮影に納まる「ピンクドット沖縄2019」の参加者=1日、那覇市

参加者と撮影した写真を確認するレスリー・キーさん(右) 当事者をモデルに撮影するレスリー・キーさん(手前)=8月31日、那覇市のホテルパームロイヤルNAHA 記念撮影に納まる「ピンクドット沖縄2019」の参加者=1日、那覇市

 プロジェクトは「あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる」をテーマに、カミングアウトしたいと願うLGBTなど性的マイノリティーを後押しし、理解を広げるため、全国各地で撮影会や写真展を開催している。今回撮影した写真は、全国の巡回展で展示する。主催はNPO法人グッド・エイジング・エールズ(東京都)。

 「この機会を逃したら一生後悔する」。県内で初めての開催と知り、意を決して参加した那覇市の花城彩音さん(24)。自身を全ての性が恋愛対象となるパンセクシュアルと認識している。普段は表に出るタイプではないというが、言葉ではうまく表現できなくても写真を通して「自分はこうだよ」と形に残したかった。

 自分のことで、自問自答を続けてきたが一人の友人から「全ての人を好きになれるってすごいことだよ」と掛けられた言葉が、花城さんの心を支えている。

 打ち明ける怖さもあったが、母親にもカミングアウトした。「あなたの人生なんだから。偏見なんて全然ない。いってらっしゃい」。母はそう言って、送り出してくれた。

 宜野湾市の屋良美優さん(20)は、自身を体は女性で心は男性でも女性でもない「FTX」と認識している。迷った末に「はたちを一つの区切りにしたい」と勇気を出して参加。「今まで女性を前提に話をされることがきつかった。自分のことを表に出せず、隠している方がつらくなった」

 撮影では指でハートマークを型どった。「私を個人として見てくれて、リラックスできた」と話し、「今はツーリズムの勉強をしている。どんな人でもストレスのない受け入れ態勢が整った観光地をつくりたい」と夢を描き、未来を見据えた。

 約3千人が集った1日のピンクドット沖縄で、プロジェクトをPRしたレスリーさんは「写真には一人一人の物語がある。みんなの存在をきちんと撮って残していきたい」と話した。

 沖縄で撮影された今回の写真は、9月7日~16日に石川県の金沢21世紀美術館で開かれる「OUT IN JAPAN Kanazawa」の写真展で展示される予定。