沖縄県那覇市の公立認定こども園10園で民間業者から提供される給食の異物混入が続発している問題で、市が民間委託の在り方を見直し配食の一部を市直営施設へ切り替えることも視野に検討していることが3日、分かった。市幹部は本紙取材に「契約上、異物混入は契約に反する可能性がある」とし、同業者の改善が見られなければ契約を解除することも示唆した。(社会部・比嘉桃乃)

(資料写真)那覇市役所

異物混入が相次いでいる民間業者の給食センター=豊見城市(画像の一部を加工しています)

(資料写真)那覇市役所 異物混入が相次いでいる民間業者の給食センター=豊見城市(画像の一部を加工しています)

◆民間委託の解約も示唆

 市幹部は異物混入が立て続けに起こっていることを問題視。同業者の管理体制に今後も目を光らせていくとした上で、「同じような異物混入を繰り返すようなら改善とはいえない」と語った。

 また、これまで人手不足などを理由に、市が、他の業者に切り替えるなどの対策に至らなかったことについて「経済の活性化という観点で民間委託を進めていた。しかし給食事業は採算が取れないと見なされ、民間が手を挙げない」と他の業者への委託が困難な状況を説明した。

 今後は「給食の配食を公的な機関で担っていく必要もある」との認識を示した。

 認定こども園の給食体制に詳しい東京家政学院大学の酒井治子教授は「異物混入を防ぐためにも、市は業者が自主点検ができるように指導していく必要がある」と指摘した。

◆驚く保護者「再発防止を」

 那覇市の公立認定こども園10園の給食の異物混入問題が明らかになった3日、園に子どもを預ける保護者には驚きや動揺が広がった。保育士からは「表面化するのが遅すぎる」との声も上がった。

 「新聞で初めて知って驚いた」。混入があった市の公立こども園に4歳の子どもを通わせる保護者(40)は憤る。「小さい子どもが口にするものに、立て続けで異物が混じるのは心配。いずれ大きな事故につながる可能性もある」と不安を隠さない。「再発を防げず公表もしなかった市や業者の姿勢に疑問を感じる。親としてはささいな混入でも再発防止策も含め公表してほしい」と求めた。

 別の保護者(42)は「新聞を見て正直『マジか』と思った」とあきれ顔。「普通は混入が1件あれば減らす努力をするはずなのに、どんどん増えている」と指摘し「誰が管理し、チェックするのか制度として確立してほしい」と訴えた。

 市の公立こども園で保育士として働く女性は「こども園関係者はみんな知っていること。やっと表に出た」と語る。同僚とも「やっと改善されるかな」と話したという。「信頼して子どもを任せてくれている保護者をずっと裏切っているようで心苦しかった。市は食育も含めた保育の質向上に取り組んでほしい」と訴えた。