名護の街並みが一瞬にして津波にのみ込まれる…。5日までの防災週間を前に、名護市防災研修センターを訪ねた。そこで見た大型スクリーンのリアルなCG映像に、津波の恐ろしさや備えの大切さについて考えさせられた

▼市消防本部の元消防長で同センター支援員の宮平達洋さん(65)は「防災は他人ごとではない。個人、地域、企業、行政も自分のこととして考えてほしい」と来場者に呼び掛けている

▼1960年、真喜屋小1年生だった宮平さんは、「チリ津波」の被害を目の当たりにした。校舎や橋が破壊され、地域住民3人が亡くなった。その体験から消防隊員になり、今も当時の記憶を伝えている

▼琉球王国時代の古文書には、1771年の「明和の大津波」による八重山と宮古の死者数が、合わせて1万2千人に上ったと記録されている

▼沖縄気象台によると、昨年、沖縄地方とその周辺で観測された地震は、マグニチュード(M)0・5以上が2万4279回で過去5年間で最多だった。将来、沖縄で大きな地震や津波が起こる可能性は十分ある

▼宮平さんは「地域の災害の歴史を知ること、避難ルートの確認などを含め、日頃から備えることは一人一人の責務」と話す。沖縄に接近中の台風13号の心配もある。最も大事なことは、自分の命は自分で守る「自助」の精神だ。(吉川毅)