浦添市の大型商業施設「サンエー浦添西海岸パルコシティ」が6月27日に開業して2カ月余り。りゅうぎん総合研究所などによると既存スーパーの7月の売上高が前年を下回り、県内小売り大手の競争環境は激しさを増している。10月の消費増税で消費マインドの冷え込みなども予想される中、各商業施設があの手この手で集客戦略を練っている。(政経部・島袋晋作、仲田佳史)

県内の主要商業施設

 りゅうぎん総研が毎月発表するスーパー売上高を全店ベースでみると、今年は7月まで7カ月連続で前年同月を上回っていた。ただ、既存店は前年割れの月が3回。上原優奈研究員によると、食品スーパーなどの新規出店による競合で、鈍い動きが続く。パルコシティの開業で注目された7月は、前年同月比0・2%減で、影響が顕在化した。

 北中城村のイオンモール沖縄ライカムは、8月も前年を下回った。ゴールデンウイーク前の改装効果でパルコ開業の影響を最小限に抑えたが、担当者は「イベント一つ取っても従来通りではなく、磨きを掛けなければ集客できない」と気を引き締める。

 9月に毎年約1週間実施するトゥシビー(生年祝い)関連イベントを、今年は6~16日の11日間に拡充。小中学生のダンスコンテストなども開き、中部圏域を中心に幅広い客層の取り込みを狙う。

 豊見城市の沖縄アウトレットモールあしびなーはパルコシティ開店から約2週間、客足が意外にも前年を数%上回った。担当者は「開店直後の渋滞を懸念した地元客が足を向けてくれた」と見る。2週間ほどたつと客足は落ち込んだが、旧盆明けから回復した。

 クイズを解くとサンリオのキャラクターグッズがもらえるイベントが子連れ客に好調で、GMS(大型スーパー)との差別化戦略で体験を重視する「コト消費」を強化している。

 各社が注視するパルコシティは買い物目的より、まずは来館してみたいという客が多く、売り上げ面で課題を残す。担当者は「テナントと直営店が一緒にセールを打ち出すなどして館の魅力を上げていきたい」と話した。

 サンエーの既存店の7月の売上高は前年同月比0・1%増だが、パルコシティ近隣のGMSには伸び悩みがみられる。グループ内の競合を最小限に抑えるよう、対応策の検証を進めている。

 10月の消費増税に向け「買い控えを想定して、手を打たなければ」(あしびなーの担当者)との危機感もある。

 上原研究員は「消費意欲が鈍くなるのは避けられない。競争が激化する中で需要が減ると、価格競争に陥ることも想定される。価格によらない差別化戦略が一層求められる」と指摘した。