香港では、政府が4日に中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案撤回を正式表明した後も、若者らの抗議活動が続いている。民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)さん(22)は7日までに沖縄タイムスの取材に答え、「撤回が遅過ぎた。警察の『暴力』を調べる独立調査委員会の設置など『五大要求』を実現するためにこれからも頑張りたい。政治的弾圧、暴力での弾圧に抵抗し続けたい」と語った。

6月に東京の日本記者クラブで記者会見する周庭さん

6月に東京の日本記者クラブで記者会見する周庭さん

6月に東京の日本記者クラブで記者会見する周庭さん	6月に東京の日本記者クラブで記者会見する周庭さん

 沖縄の基地問題については「米軍基地や埋め立ての問題について議論が起きていることは知っている」とした。民衆運動について「自分がやっていることが正しいと思うなら諦めない方がいい」と語った。

 香港では6月、「一国二制度」を守ろうと改正案撤回を求めて200万人近くが参加したデモが起きた。若者たちは改正案が通れば高度な自治が保障されず、香港が中国の一都市になるという危機感を持って抗議運動を展開した。

 周さんは撤回表明後も「香港人は納得していない」と話す。この3カ月、多くの逮捕者やけが人が出たほか、自殺した人もいたことを挙げ「多くの犠牲が出た。警察の暴力的な弾圧は今も続いている。政府の誠意が全く感じられない」と批判した。

 一方、抗議活動を続けてきたことで、中国と香港両政府のかたくなな姿勢を「多少動かせた」と前向きに捉える。「香港市民が最初から反対の声を上げなければ条例改正案の審議延期も、撤回もなかったはずだ」と、異議を唱える重要性を訴えた。

 香港立法会(議会)の直接選挙枠は全議席の半分にとどまり、残り半分は中央政府寄りの各種企業・職能団体の代表が占める。周さんは「市民が政治システムを通して政府に意見を言う方法がない」とし、多業種でのストライキや空港占拠、授業ボイコットなどの手段を使ったと説明した。

 「五大要求」では改正案撤回や調査委設立のほか、普通選挙実現や逮捕されたデモ参加者の釈放などを掲げる。周さんは「民主主義を求める中身。どれも大事だ。若者だけでなく多くの日本人にもっと香港のことを見てほしい」と話した。

 周さんは2014年、大規模民主化デモ「雨傘運動」を主導。独学で日本語を学び、今年6月には日本記者クラブで会見している。