沖縄県宮古島市の市議会総務財政委員会(山里雅彦委員長)は11日、市の不法投棄ごみ撤去事業を巡って市長らを提訴した市民6人に対する提訴議案の採決を予定していたが、「一般質問で市の説明を受けた後で判断した方がよい」との意見でまとまり、採決を見送った。24日の本会議終了後に採決する方針。提訴議案を巡っては、与党からも慎重意見が出始めており、可決されるか流動的な情勢だ。

市民提訴の議案採決を見送った宮古島市議会総務財政委員会の委員ら=11日、宮古島市役所

 採決の前に、与党の新里匠氏が「訴えの提起についてはさまざまな意見が出ている。市民に関わる大きな問題であり、市側の説明を十分に聞いた上で判断した方がいい」と提案し、11日の採決を見送った。

 与党市議の一人によると、与党内で「慎重に判断しないといけない」「市民の意見を聞く必要がある」などの声が出ているという。「提訴するなら市は根拠を示す必要がある。訴えの正当性について考えたい」と話した。

 委員会では野党の國仲昌二氏が反対討論で「ごみ撤去事業について市長から市議会に提出された報告書は、事業が『不完全な履行』と認めている」と指摘。「訴訟報告会での代理人の指摘はこの部分であり、市が名誉毀損(きそん)との理由にするのは理解できない」と批判した。

市長、議案の不備認める

 宮古島市の下地敏彦市長は11日、市議会に提案した議案書の不備を指摘した本紙報道を受け、「少し舌足らずな部分があり、もっと分かりやすく説明すべきだった」と述べ、議案の不備を事実上、認めた。

 本紙は、議案書が原告名を市ではなく「宮古島市長 下地敏彦」と記載していることや、民法723条の引用として「公然と事実を摘示して他人の名誉を毀損した者」との記載が、実際は刑法230条を引用していたことなどを報じた。

 市は、議案の修正や再提出などが必要か、確認作業を進めるとしている。