沖縄県宮古島市のごみ撤去事業を巡り、市が住民訴訟を起こした市民に対し、名誉を傷つけられたとして、計1100万円の損害賠償訴訟請求を起こそうとしている問題で、本紙は11、12日、市役所平良庁舎前で20~70代の市民50人を取材した。市民からは「市民が行政に意見を言えなくなる」など、市の対応を批判、疑問視する声が多く聞かれた。

(資料写真)宮古島市役所庁舎

 市の提訴方針に「反対」と回答したのは44人。「賛成」は2人。賛否を示さなかった4人も「裁判はやりすぎ」などと否定的な意見だった。

 反対理由(自由意見)では「市民が行政に意見を言えなくなる」が11人で最も多く、「税金の無駄」(8人)、「元の原因は市だ」(6人)が続いた。

 60代女性は、市の提訴方針は「市民をないがしろにしている。完全にノー(反対)」と提訴に反対した。

 提訴方針を初めて知った28歳女性は、庁舎を指さし「えっ、市が訴えるの?」と首をかしげた。「議会で議論することなのか。やるべきことは他にあるのではないか」と疑問を呈す。

 女性は、子どもの保育園の入所申請で市の窓口を訪れたが空きがなく、担当者にいつ入園できるかも分からないと言われた。雨天時に子どもが外で遊ぶ場所もなく、子育て環境の整備にもっと税金を使ってほしいと求める。「なのに、こんなのに無駄に使おうとしている」と憤った。

 「今回の件で市と住民、どちらの味方でもない」と前置きした女性(54)は「住民が裁判をした問題の端緒は市。これでは市民が行政に不満や意見を言えなくなる。市民の足元が揺らぐ」と率直な感想を述べた。

 「訴訟以外の方法で解決すればいいと思う。市に実害を与えたわけでなく名誉毀損(きそん)。市が勝訴して市民からの賠償金が市に入っても、私なら使うことができない」と語った。(社会部・伊集竜太郎)