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「リゾテックIT見本市 来年開催」を読み解く 護得久朝晃(沖縄エクスカージョンズ社長)

2019年9月18日 13:34

 観光業の課題をITで解決する新ビジネス創出イベント「ResorTech(リゾテック)おきなわ国際IT見本市」が2020年10月、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで、世界最大級の旅イベント「ツーリズムEXPOジャパン」と同時開催することが分かった。(11日付)

消費者目線の革新を期待

 「リゾテック」という言葉をご存じだろうか。沖縄経済同友会の情報通信委員長を務める花牟礼真一三井物産那覇支店長が提唱し、観光業がリーディング産業であるリゾート地沖縄において「リゾート×テクノロジー」からの造語として、関連業界で定着しつつある言葉だ。記事ではその見本市を旅の総合展示会であり、観光業界における日本からの情報発信の場として最大の機会となる「ツーリズムEXPOジャパン」の初の沖縄開催に合わせて行うとの報だ。

 当社も観光事業者として参加したことがあるが、訪日旅行の最大の商談の場として国内外から3万人以上の業界関係者が集まり、関連のITサービスにとっては理想のPRの場となることだろう。

 「リゾテック」に焦点を当て産業振興を推進することは、訪日旅行人気によるインバウンド旅行客数の成長が踊り場を迎えるかもしれない中で、目下の大きな課題である観光消費単価の増加を促すマーケティング・販売に関連したITサービスや、各観光事業者がIT技術によるオペレーション改善をもって、より体力をつけより魅力あるサービスを展開すべき状況下、自然な流れであろう。

 県内では、県の外郭団体として昨年設立された沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO)を中心として、IT技術の活用によりITのみならず産業全体の振興を図る育成事業が行われている。各産業にIT技術を組み合わせた問題解決を目指す作業において、筆者も関連ワークショップに参加したところ、実際の問題解決までつなげるには当該組み合わせ先の産業や事柄における専門的な知見を踏まえた運営が求められることから、ISCOの試みのハードルの高さも感じた。

 直近、目に付いた記事では、IT技術を活用した新サービスのひとつである無人コンビニが、中国では2年前から急速に普及しつつあったが、ここにきて大幅に縮小しているようだ。識者の指摘では、入店解錠時のアプリ立ち上げの手間や、商品の品ぞろえが競合のスーパー等に劣ったことが主要因のようだ。現在の社会問題「人手不足」を解消し、運営コスト削減もかなえる画期的な技術ではあるが、あくまで店舗事業者側を助ける側面が強く、その恩恵が消費者に還元されない(もしくは求められていない)ことも根本的な原因と筆者は考える。

 消費者行動の変化によるニーズの多様化、IT技術の進化によるシーズの増加により、今後ますます「○○×IT」の挑戦が進んでいく。県内においても消費者目線に立ったサービス革新に期待したい。(沖縄エクスカージョンズ社長)

★新企画「ニュースナビプラス」とは? 百貨店やコンビニなどを抱える小売業大手の会長、人工知能(AI)を研究する大学教授、スイーツ開発・販売業社長、旅行会社のシンクタンク社長、仕出し店とIT企業を経営する若手社長の5氏が、それぞれの専門的な知見を基に、国内外の気になるニュースを読み解きます。

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