那覇市内一般道の平日混雑時(午前7~8時台と午後6時~7時台)の平均速度は時速16・9キロで、2012年度は全国ワーストだったことが沖縄総合事務局のまとめで分かった。初めてカーナビから1日約3万件の情報を1年分収集したビッグデータで、より実態に近い数字を割り出した。この2年前の別調査より4キロ速い結果が出たものの、東京23区の19・3キロ、大阪市の19・5キロよりも遅く、交通手段が限られる県内の渋滞の深刻さがあらためて裏付けられた。(伊禮由紀子)
■主要箇所が集中
12年4月から1年間、実走行している自動車のカーナビなどから得られた自動車位置、時間といった情報を収集・蓄積したデータ(民間プローブデータ)を集計した。
総事局が抽出した県内主要渋滞箇所(191カ所)のうち全体の約62%に当たる119カ所が那覇市内に集中していた。
データは、10月下旬に開かれた国や県などで構成する沖縄地方渋滞対策推進協議会で報告された。
協議会は今後もデータを収集しながら北部、中部、南部ごとにワーキングチームを構成し、主要渋滞箇所の要因を分析して地域ごとの対応を検討する。
総事局は、道路網の整備を進めるとともに、バスや都市モノレールの利用、駅近くの駐車場で自動車から公共交通機関に乗り換えるパークアンドライドの普及などソフト対策にも取り組む方針だ。総事局道路建設課の担当者は「いかに那覇市内への自動車の流入を減らせるか。ハード面とソフト面の両方で対策を考えたい」と話す。
■10年で15万台増
県内の自動車保有台数は12年度末時点で約102万6千台。ここ10年間で約15万台増えている。レンタカーの許可車両台数も12年度末時点では、00年度に比べ約3倍の2万5464台。
国土交通省の道路交通センサスは9~11月の平日週1回実施する調査。10年度の那覇市内の平日混雑時の平均速度は時速12・9キロ、05年度は時速13・7キロで、ともに全国ワーストだった。