一般社団法人カリオヤ(東京都、森川英展理事長)が那覇市内で、ひとり親など困難を抱える世帯向けの無料ヘアサロンを期間限定で開き、好評だ。開設する8月15日から10月8日の予約は全て埋まり、キャンセル待ち枠も満杯。問い合わせも1日10~20件寄せられているという。

美容師の卵の研究生から、カットなどの施術を受ける客=19日、那覇市牧志の琉美インターナショナルビューティカレッジ

 サロンは琉美インターナショナルビューティカレッジ内に特設し、県や県社会福祉協議会などを通し困難を抱える世帯にサロンの利用チケット7千枚を配布した。美容師の卵が腕を磨きながら社会貢献する場をつくるのが目的。経済的負担なく美容師免許が取得できる若者対象のプログラム「ザ・アカデミー」を利用する研究生が施術する。

 現場で研究生の指導に当たるカリオヤの荒堀正樹さん(35)は「来店時は鏡を見ず目も合わせなかった中学生が、施術後に表情が華やぎ、笑顔を見せてくれたのがうれしかった」と話す。

 支援施設で暮らす女性が生後6カ月の乳児を連れて訪れ、施術後に「ずっと外出する気になれなかったけど、このまま散歩しようかな」と漏らした一言にも励まされたという。

 カットとカラーの施術を受けた専門学校に通う男性(22)=那覇市=は「お金がかかるから、美容室にあまり通えない。お得な気分です」と目を細めた。

 森川理事長は「普通のサロンでは体験できない喜びの瞬間に立ち会える。美容師の卵にとっても貴重な経験になる」と話した。

 同団体は10月から、県内で初めて「ザ・アカデミー」の募集を始める。協力店舗の支援で通信制の美容学校の授業料負担をなくし、無料ヘアサロンなどで実務経験を積み、経済的に困窮しがちな卒業後2~3年のアシスタント期間も省ける仕組み。