那覇市保健所は20日、蚊を媒介して感染するデング熱の患者が那覇市内で18日に確認され、市内の居住地周辺で感染したことが否定できないと発表した。市は患者が出歩いたとされる場所近辺150メートルの範囲で殺虫剤散布を終え、「ウイルスを媒介する蚊が拡大する可能性は極めて低い」とする。予防のため、長袖・長ズボン着用など蚊に刺されない対策を呼び掛けている。

那覇の市街地(資料写真)

 患者の70代女性は8月16~26日、同居家族と共にネパールへ渡航。帰国4日後に家族がデング熱を発症し、その後回復した。女性は9月15日に発症しており、ウイルスの潜伏期間(14日間)を考慮すると、帰国後に蚊を媒介し同行家族から感染した可能性が否定できないという。20日現在、入院加療中だが、容体は安定しているという。他の家族の感染は確認されていない。

 県によると、デングウイルスの県内感染は1955年の記録を最後に確認されていない。国内感染は2014年に発生した代々木公園(東京都)での大規模感染以来となる。

 海外渡航先で感染し、帰国後発症した患者を含め、今年県内で確認されたデング熱患者は計7人。年間過去最多だった11年の5人を上回った。

 デング熱は人から人への感染はなく、ウイルスを保有したヒトスジシマカを媒介し感染する。国内で利用可能なワクチンはない。ヒトスジシマカは県内にもいるため、市は虫よけスプレーの利用などと併せ、発生しやすい水たまりを作らない対策を呼び掛けている。

[ことば]

 デング熱 ヒトスジシマカが媒介する熱病。感染の通常3~7日後に発熱し、激しい頭痛や筋肉痛、発疹などを起こす。人から人への感染はない。日本でも1942~45年に流行があり、ヒトスジシマカが媒介したと考えられている。