日本初の「子どもの貧困調査研究コンソーシアム」がこのほど立ち上がった。首都大学東京や沖縄大学など全国6大学からなる組織で、既存の自治体データを分析しながら子どもの貧困が地域にどのような影響を及ぼすかを解明し、政策を評価する。主な研究者の一人、沖大の山野良一教授に発足の経緯や今後の展望を聞いた。(聞き手=社会部・嘉数よしの)

日本初の子どもの貧困調査研究コンソーシアム発足と、沖縄大学の役割について語る山野良一教授=20日、那覇市国場の同大

 -立ち上げの背景は。

 「2015年度に沖縄が全国で初めて小中学生調査を実施して以降、全国の多くの自治体で子どもの生活実態調査が進んでいるが、その手法はばらばらで対象や内容が異なる。企業に委ねている自治体もある。政策を見据えるとそれでいいのかという危機感があり、子どもの貧困調査に取り組む6大学が連携し始めることになった」

 -研究者が入る意義は。

 「さまざまなデータや先行研究を比較しながら、より詳細な分析ができるようになる。子どもの貧困が及ぼす影響は、学力だけでなく健康や親子関係などさまざまな面に広がる。多様性のある研究も増えているため、研究者が入ると、どのような支援が効果的か示唆を得ることができる。単独の自治体調査では分かりにくい少数事例(父子世帯や外国にルーツのある子どもなど)の分析・検討もしやすくなる」

 -沖大の体制は。コンソーシアムでどのように活動するか。

 「福祉や心理、教育、労働、経済、栄養などの専門性を持つ研究者がチームを組んでいる。6大学の中では北海道大学も以前から幅広い視点の研究チームを持っており、各大学それぞれ個性がある。コンソーシアムでは、自治体とデータ管理などに関する協定を結んだ上で、各大学の知見を生かした横断的な分析が可能になる。私たちの視点を生かしてほしい」