那覇と浦添を結ぶ沖縄都市モノレールの延長区間の開業は、全国ワーストともいわれる沖縄の交通渋滞を緩和する特効薬として期待がかかる。しかし、駅につながる道路・停車帯といった周辺整備の遅れや、駅に乗り入れる他の公共交通機関との連携が進まないなど、渋滞緩和は一筋縄にはいかない状況だ。

バスとモノレールが行き交う県庁前駅周辺=28日、那覇市久茂地

 モノレールへの乗り換え(交通結節)をしやすくするため、県は約千台が駐車できる大型の立体駐車場をてだこ浦西駅に建設し、パークアンドライドを推奨している。那覇市浦添市は、駅周辺にバス・タクシーの停車帯などの整備を進める。

 さらに県は、2024年度に県道幸地インター線インターチェンジ(IC)道路を設け、北部と中南部を往来する高速バスとの交通結節を図る計画だ。

 都市計画に詳しい琉球大学名誉教授の池田孝之さんは「モノレールの延長区間の開業は、浦添と宜野湾を結ぶ18年開通の西海岸道路より大きな効果を生む」と想定する。

 池田氏は道路開発とは異なるモノレールの渋滞緩和のメリットとして、(1)定時運行が可能(2)交差点がなく交通の流れが滞らない(3)車やバス1台と比べ送客能力が高く効率的な輸送が可能-の3点を指摘。「モノレールが背骨となり、バスやタクシーが周辺地域を結ぶ骨や血管のような役割を担うことができれば、交通渋滞は大きく緩和できる」と期待する。

 しかし、バスやタクシーなど公共交通との交通結節にはいくつもの課題がある。駅周辺の停車帯や車から乗り降りする交通広場は整備が遅れ、10月1日の開業には間に合わない状況だ。てだこ浦西駅につながる前田浦西線と前田浦西1号線の開通は21年夏ごろ。幸地ICも当初計画から6年ずれ込んでいる。

 新駅周辺を運行するバス会社からは「モノレールと連携したバス運行は新しい需要を生む」と期待の声が上がる一方で、バス路線との競合やルート改変に伴う負担増を懸念する声もある。

 バス関係者は「モノレールとの交通結節は理想だが、ルート変更やダイヤ改正は簡単なことではない」と厳しい見方を示す。「バス停を1カ所増やすだけで運転手1人当たりの運行時間が長くなり負担増となる。ただでさえ運転手不足の中、バス路線の新設もハードルが高い」と課題を挙げた。

 別の関係者も「モノレール路線とバス路線が競合し、バス利用者が減少するかもしれない。路線存続に関わる問題になれば、バス利用者に顔が立たない」と不安を漏らした。(政経部・仲本大地)

(写図説明)バスとモノレールが行き交う県庁前駅周辺=28日、那覇市久茂地