10月1日に消費税率が10%に引き上げられる。食品への課税は原則8%に据え置かれる一方、生活に欠かせない日用品や光熱費などにかかる増税分は家計を直撃する。母子世帯や年金受給者からは「どうやって切り詰めようか」といった不安の声や「制度が複雑で難しい」と不満も漏れる。(学芸部・伊禮由紀子)

10月からの増税に向け不安を口にする女性=26日

 中学2年の息子(14)と暮らす女性(52)は、家計の中でも出費が大きい水道光熱費に頭を悩ませる。調理補助の仕事で得る月収は十数万円ほどで、毎月約2~3万円が水道、ガス、電気代に消える。今回、外食には10%が課税されるため「自炊したほうがいい」と思う一方、「家で料理をしたら増税分でガスや電気代も上がるのかな」と戸惑う。

 生活保護を受けながら2~5歳の3人を育てるシングルマザーの女性(25)も増税に不安を抱える。次女(2)のおむつを月3回購入するほか、子どもの成長が早い時期で、服や靴などの出費もかさばる。

 増税後にどれだけ負担が増すのか、まだ想像できないが「日用品を買わないというわけにはいかないので…」と表情が曇る。

 増税に伴う景気対策として、低所得者と子育て世代は2万円の負担で2万5千円分の買い物ができる「プレミアム付商品券」を入手できる。女性の元にも購入引換券が役所から届いたが「今は商品券をまとめて買う金銭的な余裕はない。手続きが必要な購入よりも、平等に配布してほしかった」とつぶやいた。

 年金を受給する高齢者にとっては「痛税感」にも勝って軽減税率の複雑さが混乱を招いている。国民年金を受ける浦添市の女性(80)は「何が増税の対象なのか複雑でちんぷんかんぷん」と顔をしかめる。

 増税の負担軽減策として国が打ち出した、キャッシュレス決済のポイント還元にも不満が募る。

 年金を受給する男性(76)=浦添市=は「現金しか使わない高齢者は置き去りにされる。9カ月の限定なら、今から新しくクレジットカードを作ろうとも思わない」と諦め顔だ。