SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みが県内でじわりと広がっている。自治体が行政施策に取り入れたり、企業がビジネスに生かしたりする動きが出てきている。

 一見とっつきにくい言葉だが、英語の「Sustainable Development Goals」の頭文字を取った略称で「エスディージーズ」と読む。

 2015年に開かれた国連サミットで、193カ国の全会一致で採択された30年までの国際目標だ。

 SDGsは「持続可能な世界」を実現するための17のゴール(目標)と具体的な目標である169のターゲット(対象)で構成される。

 ゴールは「貧困をなくそう」「働きがいも経済成長も」「人や国の不公平感をなくそう」「海の豊かさを守ろう」など、沖縄に住む私たちにとっても身近で普遍的なものが多い。発展途上国だけでなく先進国も、行政も企業も市民も、すべての関係者が取り組むことを重視している。

 例えば「貧困をなくそう」というゴールのターゲットの一つは「30年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、全ての年齢の男性、女性、子供の割合を半減させる」だ。

 子どもの貧困率が15年に29・9%だった沖縄県は30年までに10%に減らす目標を掲げ、取り組みを進めている。

 沖縄の目標はSDGsとリンクしており、沖縄が目標を達成できれば「持続可能な世界」に一歩近づけるということだ。

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 SDGsは「誰一人取り残さない」を基本理念に掲げる。

 「誰一人取り残さない」は、玉城デニー知事が昨年の選挙中から訴えてきたスローガンでもある。

 県内で最大の旗振り役となっているのが玉城県政で、今年6月に県庁内にワーキングチームを発足させ、8月には重要施策について有識者に意見を聞く「万国津梁会議」でSDGsの議論を開始した。22年度から始まる次期沖縄振興計画にも、沖縄の実情にあったSDGsを織り込む。

 市町村も動きだしている。浦添市はまちづくりの指針となる「総合計画」の施策のどれがSDGsに該当するか対照状況を公表。サンゴを中心とした、自然環境にやさしい地域づくりに取り組む恩納村は国の「SDGs未来都市」に選ばれ、事業を推進する。

 企業の動きも活発だ。沖縄ツーリストなど3社は、SDGsの取り組みを推進する会社を設立、二酸化炭素の削減量を可視化するアプリ開発などに着手する。金秀グループは、SDGsに沿った企業活動を展開すると宣言した。

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 SDGsは、望ましい未来から逆算して今何をするべきか考える「バックキャスティング」という手法で課題解決を目指す。

 沖縄の望ましい未来とは何か。「持続可能な世界」へつながる、沖縄ならではのSDGsを市民、企業、行政が一緒になって見つけ、実現する方法を考えたい。

 取り組みは緒に就いたばかりだ。共通理解を広げたい。