【東京】ハンセン病元患者家族訴訟の判決確定を受け、厚生労働省は2日、法務省、文部科学省と合同で差別や偏見の解消に向けた施策を話し合う初の協議を省内で開いた。原告側は、国の取り組みは不十分と指摘し、啓発活動の強化を要請した。

(資料写真)小学校の靴箱

ハンセン病に対する偏見や差別の解消に向け、加藤勝信厚労相(中央)に要望書を手渡す原告副団長の黄光男さん(左から2人目)=2日、厚生労働省

(資料写真)小学校の靴箱 ハンセン病に対する偏見や差別の解消に向け、加藤勝信厚労相(中央)に要望書を手渡す原告副団長の黄光男さん(左から2人目)=2日、厚生労働省

 協議に先立ち、原告が加藤勝信厚労相と面会し、国の誤った隔離政策によって強いられた経験を語った。

 幼少期に両親が療養所の沖縄愛楽園に入所した沖縄出身の50代女性は、小学校で「親がいないくせに」といじめられ、両親には「人から聞かれたら、お父さんとお母さんは刑務所にいると言え」と告げられた。20代の頃、交際していた男性との結婚も破談になるなど偏見を実感したという。

 今は結婚し、関東に住む。「私が死んだら分骨し、両親のお墓に入れてもらいたい。一緒に暮らせなかった分をあの世で取り戻したい」と悔しさをにじませ、「偏見や差別がなくなるよう、全国的な取り組みを進めてほしい」と涙ながらに訴えた。

 加藤氏は「差別や偏見を強いられたことを深く反省し、おわび申し上げる」と謝罪した。

 協議では3省の担当者が、学校への教材配布などこれまでの施策を説明したが、弁護団の徳田靖之共同代表は「啓発活動に効果があるのか検証しなければ、ただやっているだけになる」と厳しく指摘した。

 協議後、超党派の国会議員でつくるハンセン病問題の懇談会で、補償に関する法整備に向けたワーキングチームの設置を決めた。今月中旬までに臨時国会への法案提出を目指す。