沖縄タイムス+プラス ニュース

【Q&A】沖縄振興予算って何? 他県との違いは?

2015年1月13日 10:35

■他県同様、中身は国庫支出金

就任あいさつを兼ねて内閣府の沖縄担当部局の予算確保を山口俊一沖縄担当相(右)に要請した翁長雄志知事=2014年12月26日、内閣府

 Q 政府の予算編成の大詰めの時期に、新聞やニュースなどで大きく取り上げられる「沖縄振興予算」ってなに?

 A 沖縄の本土復帰を機に、沖縄が抱える特殊事情の課題解消を目的に、国の責任で支援することを定めた沖縄振興特別措置法(沖振法)を根拠に振興策を実施する予算のことだよ。国が各省庁を通して他県などに支出している国庫支出金と国の直轄事業費のための資金がほとんどだ。沖縄だけが「別枠」でもらっていると誤解している人も多いようだね。

 Q 他県などに支出される国の予算とどんな違いがあるの?

 A 主に三つの特徴があるよ。沖振法に基づく事業計画に沿った予算編成、高い割合で国の補助金が受けられる高率補助、各省庁と個別に予算折衝せずに内閣府の沖縄担当部局が一括して予算を折衝する一括計上方式-が特徴だよ。

 2015年度予算で県側が要望している主な内容は、沖縄独自の制度である「一括交付金」や那覇空港滑走路増設工事費、沖縄科学技術大学院大学関係費、鉄軌道導入のための調査事業費などがあるよ。

 Q ところで沖縄の特殊な事情ってなに?

 A 大きくは四つの理由があるよ。まずは沖縄戦での激しい戦禍と、その後27年にわたる米軍施政権下にあり、日本政府の支援を受けることができなかった歴史的な事情。また、日本本土から遠方にあり、広大な海域に多数の離島が点在している地理的な事情。台風被害が多いなど日本でまれな亜熱帯地域に位置しているなどの自然的事情。そして、国土面積の0・6%の沖縄に在日米軍施設の約74%が集中し、県民生活の利便性や産業振興に影響を与えているなどの社会的事情のことだよ。国はこうした事情を「沖縄の特殊事情」として、本土との格差是正や自立的な発展に向けて、本土復帰の1972年から10年ごとに4回、沖縄振興(開発)計画を実施してきたんだ。2012年からは県が策定した新たな計画がスタートしているよ。

 Q 振興策は沖縄だけ特別なの?

 A ほかにもあるよ。小笠原諸島(東京都)や奄美群島(鹿児島県)、北海道を対象にした地域振興法もある。それぞれの地域の特殊事情を踏まえ、振興策として支援しているんだ。

 Q 沖縄振興の成果は?

 A 復帰後から40年で約10兆円の振興予算が投じられたんだ。復帰直後から約30年間は本土との格差是正と基盤整備を目標に、道路や港湾、空港、ダムなどの整備に力を入れ、県民生活の利便性は大きく向上したよ。その後は民間主導の自立型経済の構築などを掲げ、観光産業の発展や情報通信関連産業の集積などで成果を挙げ、県民総生産や就業者数などは着実に伸びているんだ。

 ただ、この振興予算の10兆円は沖縄だけが特別に受けていると誤解されがちだ。振興予算の中身は他県も受け取っている国庫支出金が主。人口や経済規模が同じ県なら近い額を国から受けているはずだ。

 だから「沖縄だけが甘やかされている」という批判もおかしい。もっと言えば、本土復帰するまでの27年間、ほとんど他県並みに国から資金を受けていないんだ。

 Q 本土復帰からことしで43年になるね。沖縄振興は今後も必要なの?

 A 社会資本の整備は一定程度進んだが、1人当たりの県民所得は全国最下位、全国ワーストの失業率など自立的発展のための条件整備は道半ば。特殊事情の課題も残る。そのために県は沖縄21世紀ビジョンを作り「一括交付金」も盛り込んだ。ビジョンの着実な推進には安定的な沖縄振興予算が必要と考えている。

あわせて読みたい

関連リンク

沖縄タイムス+プラス ニュースのバックナンバー

沖縄関連、今話題です(外部サイト)

JavaScriptをOnにしてください

アクセスランキング

ニュース 解説・コラム

注目トピックス

沖縄タイムスのお得な情報をゲット!

友だち追加
LINE@

沖縄タイムスのおすすめ記事をお届け!

友だち追加
LINE NEWS