不用な食材が、豪華な和・洋・中料理に生まれ変わる。ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城(那覇市、山口英彦総支配人)は5日、調理過程で発生する余った肉片や規格外の野菜などを活用し、ディナー料理を提供する「マジックリボーン・ディナービュッフェ」を開いた。ヒルトングループの「SDGs(持続可能な開発目標)」の取り組みの一環で、食材を無駄なく使用し、食品ロス削減を考える契機とする初の試みだ。

調理過程で不用となった肉片や野菜、規格外の食品を活用しポトフやポークストロガノフなどを提供するダブルツリーbyヒルトン那覇首里城の「マジックリボーン・ディナービュッフェ」=5日、那覇市

不用な食材が生まれ変わるまでの流れ

食材の加工時に長さや重さが基準を満たさず規格外となった豚肉(ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城提供)

食材の加工時に長さや重さが基準を満たさず規格外となったソーセージ(ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城提供)

調理過程で不用となった肉片や野菜、規格外の食品を活用しポトフやポークストロガノフなどを提供するダブルツリーbyヒルトン那覇首里城の「マジックリボーン・ディナービュッフェ」=5日、那覇市 不用な食材が生まれ変わるまでの流れ 食材の加工時に長さや重さが基準を満たさず規格外となった豚肉(ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城提供) 食材の加工時に長さや重さが基準を満たさず規格外となったソーセージ(ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城提供)

 同ホテルでは宴会や結婚式、レストランで料理を提供する半面、食べ残しなどの食品廃棄が1カ月当たり約1トン発生していた。不用な食材の一部は家畜の飼料として畜産関係者へ提供するものの、それ以外の食材は活用できず廃棄せざるを得なかった。

 また、食べ残し以外にも、料理の見栄えや、食感を良くするため、肉や魚、野菜などの形を整える必要があり、その際に出る食材の切れ端を一部は活用するも、その多くを捨てざるを得なかった。

 同ホテルの加納哲郎総料理長は「食材の鮮度は問題がないだけに、廃棄するのはもったいない。これまでにも、食品ロスを極力減らすメニューを作っているが、今回は協賛企業を募り、食品ロス削減を一緒に考えるきっかけにしたかった」と話す。賛同した食品卸業者など5社の協力もあり、各社から市場に出回らない規格外の野菜やソーセージなどを提供してもらった。

 ディナービュッフェで提供された料理は、豚肉の細切れを使ったポークストロガノフや、野菜の切れ端を漬け込んだ特製ピクルス、規格外の野菜とソーセージを煮込んだポトフなど和・洋・中、合わせて11種類用意した。

 ポトフを食べた那覇市の40代男性は「味も見た目も気にならなかった。不用となった食材も、店舗の努力でここまで価値を見いだすことができるとは」と驚いていた。

 加納総料理長は「不用な食材を活用することに対してネガティブなイメージを持つ人や企業は多い。定期的に同様の企画を開催し、食を大切にすることを多くの人に知ってもらうことが、私たちの一つの役目だ」と語った。ディナーは大人2900円(税別)、こども1450円(同)。

 今回の企画で得た収益の一部はフードバンク活動に取り組む団体へ寄付する。

(写図説明)調理過程で不用となった肉片や野菜、規格外の食品を活用しポトフやポークストロガノフなどを提供するダブルツリーbyヒルトン那覇首里城の「マジックリボーン・ディナービュッフェ」=5日、那覇市

(写図説明)食材の加工時に長さや重さが基準を満たさず規格外となったソーセージ(右)と豚肉(いずれもダブルツリーbyヒルトン那覇首里城提供)

(写図説明)不用な食材が生まれ変わるまでの流れ