沖縄県の那覇市保健所(同市与儀)が人手不足でエイズウイルス(HIV)や梅毒の無料検査の予約受け付けを取りやめた問題で、沖縄県内全体のHIV検査の受検数のうち、約半数を市保健所で対応していたことが8日、分かった。市保健所は人員配置の検討を進めており、増員でき次第「段階的に検査日を増やして検査を再開したい」との考えを示した。

沖縄県内のHIV検査受検数の推移

 市保健所は9月30日から新たな予約の受け付けを取りやめている。休止以前は週3回検査を実施していた。担当者は「人員を増やし、最終的には週3回に戻せるように努めていきたい」と語った。

 県地域保健課によると、県内全体のHIV検査の受検数は年間2千件台で推移しており、うち半数を市保健所が担っている。

 那覇市は2013年4月の中核市移行に伴って県中央保健所の施設を引き継ぎ、市単独で保健所を設置した。設置後の14年には県全体のHIV検査の受検数2899件のうち、市保健所が担当したのは1592件。18年は2143件のうち1049件だった。

 HIVなどの検査は県保健所でも受けることができるが、県の担当者は「予約は常にいっぱい。受付枠を増やすといった対応は厳しい」との見方だ。

 HIVの理解促進に向けた活動や相談などをしているHIV人権ネットワークの比嘉正央理事長は「(市保健所は)非常に丁寧で親身になってくれる機関だと相談者たちからも好評だった」と話す。「公的な機関が検査を実施する信頼感やプライバシーが守られる安心感がある。人員や財政を理由に検査機会が減るのは避けなければならない」とし、今後は県全体で性感染症に特化した施設も視野に検討する必要があるとした。