◆県歯科医師会コラム・歯の長寿学(287)

イラスト・いらすとや

 「毎日歯を一生懸命ゴシゴシ磨いているのに、昔より歯が長くなってきた? 虫歯はないのになぜ冷たいものがしみるの?」と感じたことはありませんか?

 皆さんは「知覚過敏」という言葉をCMなどで耳にしたことがあると思いますが、その痛みのメカニズムをご存じでしょうか。歯を全体的に覆っている白っぽい部分がエナメル質、歯と歯肉の境目で少し色が濃くなっている部分を象牙質といいます。

 エナメル質は非常に硬く、刺激も遮断してくれますが、強く歯ブラシでこすると象牙質は比較的に柔らかいため、エナメル質より先に削れて、波に削られた岩のようになってしまいます。

 また象牙質には、細かい穴(象牙細管)が開いていて、そこから、直接神経に刺激が伝わるので、冷たいものが特にしみるのです。治療は軽度の場合、硝酸カリウムという液体でコーティングしたり、レジンという白い材料でカバーしたりします。重度になると、木を切る時のようにクサビ状に削れて、神経が露出したり、歯が破折する場合は、神経の治療が必要になります。

 歯周病や歯ぎしりなどでも歯茎や歯槽骨(しそうこつ)は下がりますが、さらに強い歯みがきで歯を削ってしまう事が一番の原因です。歯磨き粉を使うと、口からあふれ出る前に磨こうとあせって強くみがいたり、あふれでた時が終了(時間制限)になっている方が非常に多いと思います。

 歯磨き粉の中には研磨剤が入っていてさらに歯を削ってしまうので、研磨剤の少ない液体歯みがきを使ったり、口の中が泡だらけではわかりずらいので、いったん歯磨き剤を洗い流して、一番リラックスできる椅子に座って、手鏡で歯を確認しながら、1本1本小刻みに振動させるように軽い力で磨くのがコツです。

 歯ブラシは虫歯や歯周病だけでなく、全身疾患や風邪・インフルエンザの予防にも非常に大切です。ぜひ今お使いの歯ブラシをもってかかりつけの歯科医院で、歯みがきのチェックをしていただく事をお勧めします。(上原泰通 まえざと歯科 糸満市