日本の精神科医療の現状や今後について考える第62回日本病院・地域精神医学会総会沖縄大会が11、12日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるるとパシフィックホテル沖縄で開かれる。12日にある入場無料の市民公開講座は、かつて精神障がい者を自宅の一角などに隔離した私宅監置がテーマ。監置が合法だった戦後、悲惨な沖縄戦体験に起因する精神症状で小屋に閉じ込められたことがある瑞慶山良光(よしみつ)さん(90)=大宜味村出身=が、パネリストの一人として参加する。

実家の敷地内で、監置小屋があった場所を説明する瑞慶山良光さん=6月、大宜味村

 瑞慶山さんは16歳だった1945年3月、第二護郷隊に召集された。護郷隊はスパイ養成機関の陸軍中野学校出身者が本島北部の少年をかき集めて編成したゲリラ戦部隊で、瑞慶山さんは爆弾を背負って米軍の戦車に向かう「斬り込み隊」に。至近弾で歯が吹き飛ぶ大けがや、戦死した少年兵を埋葬するなど凄絶(せいぜつ)な体験から、戦後の47年ごろに心の病で苦しんだ。

 分からない言葉を発したり、突然家を飛び出して海に飛び込んだりし「自分を殺しに来た敵」の幻覚を見て誰かを追い掛けたことも。「死んだ兵隊の幽霊が取りついたと言われた。周囲に危害を加えると思ったのだろう」。異母兄によって3日ほど監置されたのは、母屋のそばの2畳ほどの小屋。外から五寸くぎを打たれたという。

 「異母兄は私のことを憎んでいると感じた。閉じ込めたところで病気が良くなるわけではないのに」と振り返る。方法は定かではないが自力で脱出し、間もなく病院で治療を受け回復した。「戦争さえなければ、閉じ込められることも憎み合うこともなかった」

 公開講座は12日午前11時~午後0時半、てぃるる1階ホールで。瑞慶山さんの証言のほか、私宅監置の取材を続けるフリーテレビディレクター原義和さんのドキュメンタリー作品の上映、フリーライターの山城紀子さんや北部自立センター希輝々の障がい当事者スタッフ高原里緒さんによる報告がある。学会のその他の企画は参加費が必要。問い合わせは事務局(国立病院機構琉球病院内)、電話098(968)2133。