台風19号が12日にも本州に上陸しようとしている。「台風銀座」と言われる沖縄では、さまざまな台風対策がなされている。

伊良部島の佐良浜集落=2018年10月6日

電柱が倒れにくい理由

 経済産業省は、9月に発生した台風15号の影響で、千葉県を中心に電柱が2千本倒壊したり、損傷したりする被害があったとの推計を出している。
 沖縄でも、台風によって電柱が倒れる被害は出るものの、数千本規模の倒壊などは発生していない。
 沖縄電力の担当者によると、本土と沖縄で、電柱の設計基準は変わらないという。では、なぜなのか。

 「経済産業省の基準に合わせて、平均風速40メートルに耐えられるように設計しています。被害が大きくならない理由として、千葉の山間部の地形の影響もあると思いますが,
なぎ倒された木が電柱に引っかかって電柱が倒れたり、電線に何かが引っかかって倒れるということが沖縄では起きにくい。それは、県民があらかじめ、台風前に外に置いてある植木鉢などを屋内に避難させたり、農家も台風対策をしっかりやっているので、影響が出にくいと考えています。また、電柱が倒れないように、電柱を支える対策を施しています」

沖縄の瓦は飛ばない

 もうひとつ、千葉県の被害状況を見ていると、住宅の瓦が崩れ、ブルーシートで覆われている様子が見て取れる。沖縄で、まず見ない光景だ。

 琉球赤瓦屋根の施工に長年携わり、首里城の復元、修復も手がける「現代の名工」山城富凾(やましろ・とみじょう)さんは、「沖縄の瓦はそう簡単に崩れないし飛ばない」と言い切る。
 その理由は、瓦を一つ一つつなぎ、さらに漆喰で固めるためだ。「本土の瓦は置くだけになっているため、飛んでしまっている」と見ている。
 屋根の造りにも工夫がある。「沖縄は、屋根が四方向に傾斜する造りの寄棟(よせむね)屋根になっているから、風を逃がしやすい。台風で屋根に影響がでることはめったにない」と説明する。

台風に強い家「コンクリート造り」

 そもそも、沖縄は、瓦をはじめ、住宅の造りが「台風仕様」だ。2014年の国土交通省の調査では、沖縄の木造住宅は13%にとどまり、コンクリート造りが大半を占めている。
 山城さんは「1960年代までは沖縄も木造住宅が多かったが、台風被害に加えて、木を食べるシロアリの被害も多かったから、コンクリートの家が増えていった」と振り返る。

 1960年代の沖縄は、セメント工場の操業が始まり、コンクリートを沖縄で造れるようになったことも要因として考えられる。さらに、木の価格が値上がりし、住宅融資が木造よりコンクリート造を優遇したりしたことも、コンクリート造の普及も後押しした歴史がある。