沖縄県の那覇新都心で大手高級食パンチェーン店の競争が起きている。2017年8月に大阪府が本店の「乃が美」、19年7月に埼玉県発祥の「HARE/PAN」、同8月に東京都が拠点の「銀座に志かわ」が出店。300メートル圏内に3社が集客にしのぎを削る。複数の小麦粉を独自に配合して柔らかく仕立て、製法や原材料の違いで他店と差別化。各社とも持ち帰り用の手提げの紙袋を用意して、記念日などの特別な日や土産品での需要創出に力を入れる。(政経部・仲田佳史)

焼かずに食べられる柔らかさを売りにする「乃が美」の高級食パン

手でちぎって食べることで溶けるようなパンの食感が味わえる「HARE/PAN」の高級食パン

アルカリイオン水を使うことで小麦粉の甘味を引き出したという「銀座に志かわ」の高級食パン

高級食パンチェーン店の出店場所

焼かずに食べられる柔らかさを売りにする「乃が美」の高級食パン 手でちぎって食べることで溶けるようなパンの食感が味わえる「HARE/PAN」の高級食パン アルカリイオン水を使うことで小麦粉の甘味を引き出したという「銀座に志かわ」の高級食パン 高級食パンチェーン店の出店場所

 高級食パンはいずれも2斤で税抜き800円。市販食パンの2倍以上の高価格だが、金銭的余裕のある住民や中国や台湾などの観光客の購入を見込んでいる。

 全国で140店以上を持つ「乃が美」は焼かなくても食べられる柔らかさから「高級『生』食パン」とネーミングし、他店との違いを強調する。

 近隣で3社のパン店が競争を繰り広げることに、担当者は「各メディアから取り上げられる機会が増えており、需要の掘り起こしになる。全国のような高級食パンブームを沖縄でも起こせるのではないか」と、むしろ好機と捉える。新都心以外に2店舗を出店しており、ブームの火付け役としてけん引する考えだ。

 全国で30店を出店する「HARE/PAN」は、つけ麺店を運営する「竹珠食品」(具志堅昭士代表)がフランチャイズで運営する。複数の小麦粉を独自に配合した柔らかさと、ハチミツのほのかな甘みが感じられるのが特徴だ。

 手でちぎって食べるのがおススメで、具志堅代表は「パンの繊維が舌に触れ、溶けるような食感を味わえる。他店と食べ比べてほしい」と自信を見せる。贈答品として手ごろな価格として新たな需要も掘り起こす方針だ。

 全国28店を運営する「銀座に志かわ」(高橋仁志社長)は「プチぜいたく感」をテーマに、きんぴらごぼうやイカの塩辛と合わせた食べ方を提案する。赤ワインや日本酒のつまみに「夜のお供」としても購入機会を増やす狙いだ。

 パンの発酵には弱酸性が良いとされるが、独自の研究でアルカリイオン水が甘さを引き出すとの結論に至った。高橋社長は「水にこだわったパンで市場を開拓したい。那覇新都心を高級食パンの聖地にしたい」と気合を入れた。