相次ぐ台風が県内の小規模離島の生活に影響を与えている。悪天候に強い航空便がなく、船便頼みだからだ。観光旅行のキャンセルが続き、生鮮食品やガソリンの不足も目立つ。大型で非常に強い台風19号の沖縄直撃は避けられたが、12日もしけで一部欠航するおそれがあり、住民たちは頭を悩ませている。

出発前の離島船舶で物資を詰め込む業者ら=11日、石垣港 

 那覇発便が立て続けに欠航した座間味村は9月の観光客が、記録が残る2013年以降で最少の9762人(前年同月1万853人)となった。8月から2カ月連続で前年比千人以上落ち込んだ。

 粟国村が1日1往復させる那覇発着便は9月に8回欠航。前年同月の15回と比べると台風の直接的な影響はそれほどでもないように見えるが、村観光協会によると、団体ツアー中止が9月に4件、10月に3件あった。四方正良事務局長(50)は「実際に台風が接近しなくても2、3日前の予報でキャンセルになることがある。島に渡れても船がなくなると那覇に戻れないから」と、島ならではの事情を説明する。

 今年、台風が6回接近した竹富町。例年の倍以上に相当するといい、民宿を営んでいる藤井幸吉さん(51)は「9月は予約キャンセルが1週間分あった」と嘆いた。石垣島からの船が運ぶ物資も途絶えがちで、苦労して宿泊客用の食材を仕入れても行き場がない。「冷凍して献立の工夫などで使い切る」という。

 渡嘉敷村唯一のガソリンスタンド、渡嘉敷石油(新垣徹社長)はガソリン不足で給油量を制限した。11日には前日まで「1台千円分まで」だった張り紙を「1台3リットルまで」に換えた。

 元々、那覇発フェリーで運ぶ週4回、各約800リットルだけでは観光客のレンタカーなどのニーズをまかないきれない。団体客向け臨時便で運ぶ1回約6400リットルが頼りだが、9月は台風で臨時便がなくなった。村は早ければ今月13日にも臨時便を運航する。

 住民は野菜や卵などの生鮮品を買うにも苦慮する。北大東島では台風19号が通過した11日、泊港発で日用品や生鮮食品を運んでくる定期船が欠航した。8月は16日間も来なかった。多良間島でも11日の宮古島発フェリーが欠航し、「Aコープたらま店」の野菜などが足りなくなった。平良勝店長(43)は「『牛乳はないの』などと言われ、申し訳ない思い。明日も船が止まると困る」とこぼした。