沖縄県宜野湾市の大山区自治会(名城克巳会長)がこのほど、無料通信アプリLINE(ライン)のスタンプを作成した。同自治会の公認キャラクター「タータ君」と「ムムちゃん」をデザインした16種類。2匹は大山地域で赤ん坊をさらっていたとされる伝説の化け猫だが、愛嬌あいきょうたっぷりに仕上がった。同自治会内では、グループラインがスタンプの送り合いになるほど好評だという。(中部報道部・平島夏実)

「タータ君」と「ムムちゃん」のラインスタンプの販売画面

「タータ君」と「ムムちゃん」のラインスタンプ完成を喜ぶ(左から)小林晃子さん、大山区自治会書記の末吉孝行さん、同自治会長の名城克巳さん=11日、宜野湾市の大山区公民館

「タータ君」と「ムムちゃん」のラインスタンプの販売画面 「タータ君」と「ムムちゃん」のラインスタンプ完成を喜ぶ(左から)小林晃子さん、大山区自治会書記の末吉孝行さん、同自治会長の名城克巳さん=11日、宜野湾市の大山区公民館

 大山には、古くから化け猫伝説がある。化け猫は、人間になって「前宮里のおじいさん」との力勝負に挑んだが敗走。洞穴の中のかめに逃げ込んだ。おじいさんはかめを縄でくくり、猫を閉じ込めたと伝わる。洞穴は市指定史跡の「マヤーガマ」として、米軍普天間飛行場の大山ゲート近くに残る。

 そんな化け猫をかわいらしくしたのが、愛知県から移住してきた小林晃子あきこさん(45)。約10年前、「自治会員は集合」という区内放送を聞いて自分も自治会員だと勘違いし、駆け付けた縁でそのまま大山区自治会に加入した。その後「ゆるキャラ作りましょうよ」という仲間の「冗談」を真に受ける形でイラストを描き、こっそり公民館に届けたという。

 猫の胴体は大山特産の田芋で、しっぽは田芋の葉。額は大山の「大」、口は「山」の字に見立て、首に綱を巻いた。2017年4月号の自治会だよりで名前を募集したところ、比嘉茂子さん(77)が「タータ君」「ムムちゃん」と命名。2匹の名前を合わせるとターム(ターンム、田芋)と読めるようにした。

 以来、2匹は自治会だよりやホームページ、祭りのチラシ、自治会役員の名刺などに登場。小林さんは、缶バッジやTシャツなど10種類以上の関連グッズを仕立て、原価で販売してきた。中でも乳幼児用のロンパースは出産祝いとして人気で、名城会長は「千葉にいる2歳の孫は、アンパンマンよりもタータとムムが好き」と話す。

 小林さんは実は、車やテレビ、クーラーだけでなく携帯電話も持たない自然派の生活を楽しんでいる。「次は動くスタンプを作ってみようかな」と話す小林さんに、名城会長は「できたスタンプ、作者は一体いつ使うようになるんだろう?」と笑った。