元NHKアナウンサーでASK依存症予防教育アドバイザーの塚本堅一さんが17日、浦添市内で講話した。仕事のストレスから危険ドラッグに手を出し、逮捕された経験から「薬物に限らず誰でも依存症になりうる。偏見をなくし、陥った人を支えられる社会であってほしい」と語った。

「依存症の人を支える社会になってほしい」と話す元NHKアナウンサーの塚本堅一さん=17日、浦添市・アイムユニバースてだこホール

 県などが主催する「高校生が考える薬物乱用防止フォーラム」の一環。

 塚本さんは2016年1月、危険ドラッグ「ラッシュ」の所持・製造容疑で逮捕された。「ちょうど沖縄放送局から東京へ転勤した時期で、仕事のストレスなど複合的な要因があったと思う」と振り返った。ラッシュがインターネットで合法薬物として売られ、当時は違法との認識がなかったとも明かした。

 逮捕後は罰金50万円の略式命令を受け、NHKを懲戒免職になった。再就職を試みるが面接で次々とはじかれ、うつ状態に。「次の人生を模索しても薬物事件がどこまでもついてきた」

 薬物報道ガイドラインを見たのを転機に体験者だからこそ携われることがあると思い、薬物依存回復施設に通った。依存症患者と関わり、自身の偏見と向き合ったといい「偏見は知らないから生じる。多くの人が依存症を知り、支える側に回ってほしい」と話した。

 講話を聞いた北山高2年の仲嶺眞虎さん(17)は「よく聞くラップの歌詞に薬物の名前が出てくる。危険性について改めて考えさせられた」と感想を話した。