母娘というのは、どの国でも一度関係がこじれると厄介なものらしい。かくいう自分も比較的良好だと思いたい娘たちとの関係だが、時に彼女たちの神経を逆なでするらしく、かなり強烈なクレームやお叱りを頂く。

真実

 是枝監督が、カトリーヌ・ドヌーブという大女優を据えて描く母親は、名の知れた女優というプライドと一人娘に素直に気持ちを伝えられない不器用さが共存していていとおしい。そして娘は名をはせた母親を誇りに思いながらも、かなえられなかった普通の母娘関係を大人になっても切望するのだ。

 監督の描く、プライドと孤独のはざまに身を落とせば泣きたくなるくらいの不安に苛まれるが、穏やかでもなく完璧でもない問題だらけの家族へよせる愛に、幸せの色は本当にそれぞれなのだと改めて納得する。(スターシアターズ・榮慶子)

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