県立博物館・美術館で開催中の「台湾展~黒潮でつながる隣(とぅない)ジマ」に足を運んだ。会場に入ると大きな年表の下に、17~20世紀初頭にさまざまな形で描かれた古地図が並ぶ。「琉球・流求」という名がどの地域を指すのか、台湾という名の由来などが、地図を通して考察できる

▼日清戦争後、1945年までの50年間、日本の植民地にされ、日本語による教育がなされた。沖縄からも教員ら多くの人が職を求めて渡った。沖縄出身の教員名一覧も掲げられている

▼卒業証書や絵はがき、食器、戦後の引き揚げに関する書類に加え、台湾で暮らした沖縄出身者が語る映像で当時の暮らしぶりを伝える

▼台湾は農漁業でも沖縄と関わりが深かった。漁業では沖縄から漁法を伝えたり、沖縄人による集落もあった。水中眼鏡などの漁具を展示、映像で解説する。黒潮をまたぎながら、技術を高め、広めた様子が垣間見える

▼台湾でもともと住んでいた人を意味する「原住民」の服や民具も並ぶ。近年の権利回復運動の中、それぞれ民族の言語や文化が再認識されており、現在の台湾の多様性につながっている

▼同館では関連して沖縄の女性の「ハジチ」と台湾原住民のタトゥーに関する企画展も開催中だ。距離だけでなく、沖縄との歴史・文化的な近さも改めて感じる。両展とも11月4日まで。(内間健)