【西表島=竹富】台風18号が去った1日、西表島西部の船浦湾の干潟を歩いていたオキナワアナジャコを、東京都から観光で訪れていた梅原広行さん(46)が発見した。

台風通過後、ひょっこり姿を現したオキナワアナジャコ=1日、竹富町・西表島

 体長30センチほど。「伊勢エビかと思った」というくらいの大きな個体だ。通常夜行性で、自身で掘り起こした2メートルもの深さの穴に生息しているため、なかなか姿を現さない。台風で巣穴が壊れ、さまよっていたかもしれない。

 オキナワアナジャコは穴の上部に掘り起こした泥を積み上げた、火山にも似た最大3メートルもの高さの「シャコ塚」を築く。穴掘りは地中深くから有機物をもたらし、その塚にはさまざまな動植物が共生する。マングローブの生態系にとって重要な役割を果たしている。

 海外では「はさみ」の部分を食用とすることもあるが、味は淡泊なようだ。沖縄では食用にはしないが、かつて八重山地方では個体を黒こげに焼いて油と混ぜたものを頭皮に塗り、育毛剤のようにして使用していたという。

 オキナワアナジャコは、インド洋から西太平洋沿岸、国内では南西諸島のマングローブ林や湿地帯に生息する。(前大歩通信員)