県内で活躍する若手経営者らが、県内中小企業向けに出資するファンドを運営し経営支援を手掛ける会社「SCOM(エスコン)」(浦添市・藤本和之代表)を設立した。総額1億円の1号ファンドを12月に立ち上げ、年度内に10社程度へ出資を予定。出資1号に「首里石鹸」のコーカスが決定した。企業経営者を中心にした中小企業特化型のファンドは県内初で、国内でも珍しい。(政経部・川野百合子)

「SCOM(エスコン)」を設立した琉球オフィスサービスの藤本和之代表(中央)と取締役に就く上間フードアンドライフの上間喜壽社長(右)、Payke共同創業者の比嘉良寛取締役=18日、浦添市の琉球オフィスサービス

 月額制のホームページ制作などの琉球オフィスサービスの藤本代表がエスコンの代表に就任。上間弁当天ぷら店などを運営する上間フードアンドライフの上間喜壽社長と、ITベンチャーのPayke共同創業者の比嘉良寛取締役が、取締役に就く。出資だけでなく、各社の強みを生かし、経営戦略の立案や資金調達、マーケティングや財務・会計、IT化などを支援するのが特徴だ。

 県内では中小企業が99%を占め、うち8割以上が従業員10人未満の小規模零細企業。藤本代表は「県内の貧困問題や進学率の低さ、低賃金の課題などを少しでも改善したい。企業に寄り添う経営支援によって、いい経営者を育て、その利益を社員や社会に還元できる会社を増やしたい」と設立の意義を語る。

 出資は、設立意義を共有できる県内中小企業を対象にするという。

 コーカス(那覇市、緒方教介社長)への出資は来年1月に予定。すでに経営状況の把握やデータ分析などで支援している。同社はシステムエンジニアを募集しており、人材採用にもエスコンが支援する。

 コーカスはコールセンター業務が中心で、3年前に首里石鹸を事業化。8店舗まで拡大し、売り上げも約7億円と2倍に伸びた。

 一方で、管理体制の構築や運営、システム開発などに課題があり、勘や想定に頼った経営を続けた結果、一時資金不足に陥ったこともあるという。緒方社長は「来年は世界や県外での出店を目指す。一緒に効率化やよりいい仕組みづくりを進めていきたい」と語った。問い合わせは琉球オフィスサービス、電話098(894)6900。