子どもを教育する教諭としてあるまじき行為だ。憤りを禁じ得ない。

 神戸市の市立小学校で男性教諭(25)が昨年から同僚の教諭4人に激辛カレーを食べさせられたり、尻をたたかれみみず腫れができるなどのいじめを受けていた。無料通信アプリLINE(ライン)で女性教員に性的メッセージを送るよう強要されてもいた。教諭は精神的に不安定になり、9月から欠勤している。

 今月16日に開いた保護者説明会で加害教諭らは「いけないことを教える立場の私が信頼を裏切り、おわびする」「相手への配慮に欠ける言動に、最低な人間だと実感した」などと書面で謝罪した。

 しかし謝罪で加害事実が消えるわけではない。教諭は被害届を出しており、警察は暴行容疑で捜査する方針だ。

 加害教諭は30代男性3人と40代女性1人。別の20代の男女教員3人に対しても暴言やセクハラ行為をしていた。

 教諭は50種類以上の暴行やいじめを訴えている。異様なのは教諭が激辛カレーを食べさせられるのを動画撮影していたことだ。いやがる教諭を男性教諭が羽交い締めにし女性教諭がスプーンで口に運んだ。集団によるおぞましい行為だ。熱湯入りのやかんを顔に押し付けられた。首を絞められ呼吸困難になった。激辛ラーメンを汁まで全部飲まされ苦しんでいると大笑いされた…。もはや犯罪である。

 加害教諭の2人はいじめ対応をする指導担任だったというからなおさら怒りが湧く。

 市教委は弁護士ら3人の調査委員会を設置した。背景に何があるのか。なぜ止められなかったのか。徹底的に解明し、厳正な処分を求めたい。

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 学校の隠蔽(いんぺい)体質もうかがえる。市教委は9月に教諭の家族からの訴えで把握した。

 教諭は昨年12月、前校長に相談しようとしたが「いじめられてないよな」と諭され、言い出せなかったという。

 当時教頭だった現校長に情報は伝えられず、今年6月に初めて知ったという。校長は加害者側を指導したが、学校は7月に市教委に「人間関係のトラブルがあり、校内で解決した」と報告。詳細を伝えていなかった。実際は暴言が続いていたのに、である。

 「神戸方式」と呼ばれる独自の人事制度が要因の一つとの見方がある。教諭が校長に希望校を伝え、校長間の相談で一部の異動が決まる。関与が強かった男性教諭2人は前校長と親しかったとの証言があり、注意しづらい雰囲気があったのではないか。

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 2018年度の全国小中高、特別支援学校におけるいじめの認知件数は過去最多に上った。同小のいじめ認知件数は17年度0件だったのに、18年度13件、本年度は半年間で16件と急増した。市教委は職員の状態が少なからず影響したのではないか、とみている。教諭が暴力やいじめを助長する要因になったとしたら教育者の責任放棄である。

 16日の説明会で児童4人がショックで学校を休み、2人はまだ通学できていないと報告された。市教委はスクールカウンセラーを常駐させた。児童の心のケアが重要だ。