命ぐすい耳ぐすい 沖縄県医師会編(1209)

 今日も、月経痛がきつくて、月経の量が多くて、という女性が受診されました(生理のことを医学的には月経とよびます)。どうしてここまで我慢するのだろう、と思わせるような、我慢強い女性ばかりで、リスクの高い手術が必要になってから大学病院に紹介されてきます。月経痛がきつい、月経の量が多いということを日常的に耐えている女性は、いろんな面で我慢強く、そして自分の行動範囲に制限をかけているように思います。

 そもそも日本では、月経痛は我慢するものだと思っているし、月経痛が病気のサインであるという教育を受ける機会はほとんどありません。実は、月経痛がひどい場合は「子宮内膜症」、月経の量がとても多くて貧血になるような場合は、「子宮筋腫」の可能性があります。

 子宮内膜症は、本来、子宮の内側(内腔)にある子宮内膜が違う場所に発生してしまうことで、月経痛をはじめとする痛みと、卵巣や卵管、腸管との癒着による不妊がおもな症状です。10代後半から発生し、特に、子どもを産み育てる20代から30代の女性の約5~10%は子宮内膜症に罹患(りかん)していると言われています。痛みを放置すると、子宮内膜症の進行により卵管や子宮、腸管等との癒着が広がり、手術が必要になってくることが多いのも特徴です。

 子宮内膜症による痛みは、痛み止めが効かないことも多く、就学、就労の妨げとなります。大事なことは、月経痛は改善できる薬があること、子宮内膜症を放置すると重症化すること、不妊症になってしまう可能性があるということを知ることです。微量の女性ホルモンを含む低容量ピルは、月経痛をかなり改善すると同時に、子宮内膜症の進行を防ぎ、不妊症を予防する効果もあります。

 今は女性産婦人科医によるクリニックも増え、月経痛で気軽に産婦人科を受診できる環境が整ってきました。月経痛を我慢しない、自分にあう主治医と治療法を見つける、毎月やってくる月経とうまくつきあうことで、自分のやりたいことができる人生を取り戻してほしいと願います。(銘苅桂子 琉球大学医学部付属病院 西原町)