いったい、どんな今どきの若い女性だろう。会話がかみ合うのか。会うまでは正直、期待より不安が強かった

▼なにしろ、世の悩みを一刀両断する文章は、感情がほとばしり、荒々しい。それでいて読む人は心をわしづかみにされる。本名や年齢を明かさず、巧みに言葉を操るところも謎めいていた

▼SNS(会員制交流サイト)をきっかけに、「文才のすごいギャル」と脚光を浴びる「きらめく星のなったん」さん(沖縄市出身)。書き下ろしのエッセーは増刷を重ねる

▼会ってみると、不安は一気に氷解した。目の前にいるのは、人生の哀歓を見つめ、ご両親を慕う等身大の女性だった。時に激情的な言葉遣いは、心の内を赤裸々に表現することへの照れ隠しなのだと思う

▼父は、彼女が6歳の時、病気で他界した。記憶に残る思い出は、ほとんどが病室のベッドの上。面会時間だけが家族水入らずのひとときだった。女手一つで育てた母は、他人と比べることをせず、いつも彼女を肯定してくれた。そんな母のような人間になりたいと話す

▼父は遺書の中で、まだ幼い娘に「すてきな女性になってください」と書いた。歳月が流れ、大人になった娘はエッセーのあとがきで、父にこう呼び掛けた。「私は願いをかなえられていますか」。きっと、天国で誇らしげにほほ笑んでいる。(西江昭吾)