沖縄県内企業の知的財産権に対する意識が高まっている。特に、商品やサービスに使用するロゴやブランド名などを保護する「商標権」が浸透。全国の申請件数が5年前と比べて45・1%増に対して、県内は50・3%増えた。登録件数も全国の伸び率を上回る。食品を中心に、土産品などの商品開発、創業や新規出店が活発なことが背景にある。県外・海外展開や販売強化を目指す中小企業には知財戦略が重要で、増加傾向は続きそうだ。(政経部・川野百合子)

県内の商標の出願・登録件数の推移

全国の商標の出願・登録件数の推移

商標登録で必要な手続きなどの相談に答える弁理士の久野恭兵氏(左)、INPIT県知財総合支援窓口の金城泉氏(中央)=24日、那覇市・沖縄産業支援センター内

県内の商標の出願・登録件数の推移 全国の商標の出願・登録件数の推移 商標登録で必要な手続きなどの相談に答える弁理士の久野恭兵氏(左)、INPIT県知財総合支援窓口の金城泉氏(中央)=24日、那覇市・沖縄産業支援センター内

 2018年は県内の出願件数が797件で、14年の530件から毎年増えている。一方、全国は17年から約9500件減少した。製造法など新技術を保護する「特許権」、物品のデザインや形状を保護する「意匠権」の申請数も、全国より伸びている。

 一般的に出願から登録まで最短で1年ほどかかるが、登録件数で比較しても、沖縄の伸び率が上回っている。

 知財の相談を無料で受け付ける「INPIT県知財総合支援窓口」へ相談に訪れる相談者は、半数以上が中小企業。約25%が個人事業主で、創業を検討中の相談者も約4%いる。

 窓口支援担当の宮川準氏は「好調な観光業を背景に、特に食品の土産品開発や、創業が多いのが一因だ」と分析する。よろず支援拠点との連携も奏功している。離島や北部で、月に2~3回は合同の相談窓口を開設。製品化や事業化、販売戦略などはよろずが支援し、知財に関する相談はINPITが対応する。

 宮川氏は「すでに似たような商品名やロゴが商標登録されていないか確認もできるので、気軽に相談してほしい」と呼び掛けている。

 沖縄総合事務局知的財産室の楢原龍史氏は「知財は他商品と差別化でき、競争力も上がる。社員のモチベーションや技術の向上も期待できる」と重要性を説明。「県外・海外展開を目指す企業や地域のブランドづくり、経済発展につなげるため活用してほしい」と話した。