沖縄戦で徴用され亡くなった父の遺骨を探している韓国のパク・チュナさん(77)らが25日、厚生労働省が実施している戦没者遺骨のDNA鑑定事業への参加を求め、沖縄県庁で記者会見した。パクさんは「遺骨が見つかったら亡き母と合葬して会わせてあげたい」と涙ながらに語った。同席した沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表は「沖縄戦の犠牲者には朝鮮半島出身者が数多くいることを県民に知ってもらいたい」と呼び掛けた。

沖縄戦で亡くなった父への思いを語るパク・チュナさん(手前から3人目)と支援者=25日、県庁

 「戦没者遺骨を家族の元へ」連絡会の上田慶司さんによると、韓国では沖縄戦犠牲者の遺族163人がDNA型の採取を済ませ、日本政府に働き掛けているが、正式な外交ルートからの申し入れが確認できないといった理由で照合は実現しておらず、遺骨の返還は進んでいない。

 パクさんの父は、パクさんが2歳の頃に徴用され、渡嘉敷島で亡くなったとみられる。2017年に糸満市の平和の礎に刻銘された。パクさんと、今回来県できず玉城デニー知事に手紙で協力を呼び掛けたコン・スチョンさんの2人は今後、DNA型を採取する。

 韓国でDNA鑑定を求める遺族は計165人になる。

 同伴した太平洋戦争犠牲者補償推進協議会のイ・ヒジャ共同代表は「沖縄から韓国人遺骨のDNA鑑定が始まり、一人でも多く遺骨を祖国に返せたらと切実に思う」と語った。

 上田さんは「沖縄の人も気持ちが分かると思うので、DNA鑑定が実現するよう広く働き掛けてほしい」と呼び掛けた。

 平和の礎に刻銘されている韓国出身者は6月現在、382人となっている。