2020年度に始まる大学入学共通テストでは、国語や数学に記述式問題が加わる。入試改革の一つで思考力や判断力を測るという。もう一つの目玉の英語民間試験導入を巡り、思考力を問いたくなるような教育行政トップの発言があった

▼受験生の経済状況や住む地域によって不公平が生まれないかとの懸念に、萩生田光一文科相が「身の丈に合わせて勝負してもらえれば」と発言。批判がやまず「受験生に不快な思いを与える説明不足な発言だった」と謝罪した

▼英語民間試験は高校3年時に受けた2回までの成績が志望大学に提供される。7種類ある試験は1回の受験料が5800円から高額なもので2万5千円を超す。さらに全都道府県で実施を予定するのは2試験だけ

▼問題視される受験機会の格差を容認する文科相の発言に憤りを覚える。家庭環境で異なる教育の機会を平等に近づけるのが本来の政治の役割ではないのか

▼離島やへき地の受験生にとっては会場までの交通費や宿泊費もかさむ。萩生田氏は「人生のうち1回や2回は故郷から出て試験の緊張感を味わうのも大事」とも述べた。精神論で片付く話ではない

▼延期を求める声もある中、11月1日から受験に必要な共通IDの申し込みが始まる。受験生の不安や問題点を置き去りにするなら文科相として落第だ。(大門雅子)