沖縄県宜野湾の大市山区老人クラブ(伊佐雅一会長)は25日、特別講演会を同区公民館で開いた。沖縄タイムス社で通信員を約30年続けている翁長良勝さん(74)が「翁長良勝の取材日記」と題してこれまでの経験を約90人に語った。

これまでの取材経験を振り返る翁長良勝さん

翁長良勝さんの講演を聴く区民=25日、宜野湾市の大山区公民館

これまでの取材経験を振り返る翁長良勝さん 翁長良勝さんの講演を聴く区民=25日、宜野湾市の大山区公民館

 翁長さんは通信員の仕事について、記者が行けない取材を引き取ったり、独自に話題を掘り起こしたりする「社外記者」と説明。お年寄りを20年以上ボランティアでデイサービスへ送迎している大山区老人クラブの若手役員や、治療の副作用で止まらなくなったおならを逆手に取り「へこきまん」として園児を笑わせている男性などこれまで書いた記事を振り返り、「地域のぬくもりが限りなく伝わってくるのが新聞の地域面」と魅力を語った。

 「新聞に載ったその日に奥さんを亡くした取材相手が『妻に何よりの報告ができた』と喜んでくれ、今も手作りの野菜を届けてくれる」というエピソードで会場をしんみりさせたほか、泳げない漁師や、生年月日が戸籍上5カ月しか違わない兄弟など、これまでに出会った不思議な住民たちの話を披露した。

 翁長さんは、取材先で地域の物知りのお年寄りが亡くなったと聞くと「地域の図書館が一つ消えたような寂しさを感じる」と吐露。若者とお年寄りをつなぐ地域行事の大切さを説き、綱引きを約300年続けている大山区にエールを送った。