よしもとエンタテインメント沖縄所属のお笑い芸人で、聴覚障がいの両親を持つ大屋あゆみさん(35)=宜野湾市出身=が27日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるるで講演した。「人生の転機~私が伝えたいこと~」の題で、芸人になった経緯や自身が立ち上げた手話コメディー集団「劇団アラマンダ」の活動を紹介。「全国各地を巡り、聞こえない子どもたちにも届けたい。いつかろう者のお笑い芸人を養成したい」などと夢を語った。

講演で「全国に手話コメディーを届けたい」と語る大屋あゆみさん=那覇市内

 小さな頃から人前に出るのが好きだったという大屋さんは、20代の頃にうつ病になった経験がある。「死にたい」と思うほど追い詰められていたが、病院の待合室で吉本興業グループが沖縄に養成所を設立し、生徒を募集しているとのテレビCMに接し「ビビビと来た」。

 当時26歳。年齢に気後れし、当初は裏方を希望したが、面接で勧められた芸人の道へ。出番がなく辞めようと決意しかけた3年目に、ガレッジセールのゴリさんがプロデュースする「おきなわ新喜劇」のメンバーに選ばれた幸運を振り返った。

 昨年8月に旗揚げした劇団アラマンダは、鮮やかな黄色の花を咲かせる低木が由来。5歳の時、いとこたちの前で歌の「初舞台」を踏んだ祖父の家には、アラマンダがたくさん咲いていたという。

 9人いる座員は大屋さん以外、みな手話の初心者で「一生懸命覚えてくれて、公演を重ねるごとに上達している」と感謝する。現在の活動は県内にとどまるが「自分を信じること、伝えること、感謝の気持ちがあれば、夢はかなうと思う。皆さんが住む都道府県を回るので待っていて下さい」と呼び掛けた。

 講演は25日から3日間、那覇市内であった第49回全国ろうあ女性集会(主催・全日本ろうあ連盟女性部)の一環。集会には全国から約530人が参加し、首里城や平和資料館などを巡る社会見学コースのほか、沖縄の伝統文化や孤独死予防、旧優生保護法を取り上げた分科会などで意見交換した。